福島県教育センター所報ふくしま No.106(H05/1993.3) -007/038page

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児童生徒の創造性を高めるための教材開発

−体験的な活動を重視して−(第1年次)

科 学 技 術 教 育 部

 

1.今年度研究の概要

 本研究では児童生徒の創造性,すなわち杜会の変化に主体的かつ柔軟に対応できる資質,能力を高めることをねらいとし,体験的な活動を重視した創造性を高める教材開発の研究を,平成4・5年度の2年間にわたって行うことにした。
 本年度は「創造性」や「体験的な活動」の文献研究から始め,新学習指導要領の分析とアンケート調査により児童生徒の実態や先生方の要望等を整理して,次のような研究を進めた。

1.新学習指導要領で指導内容が比較的多く変わった小学校理科と,中学校技術・家庭科について研究をする。
2.体験的な活動を重視し,児童生徒の創造性を高めるための教材(そのための資料も含む)の開発を行う。
3.各学校で容易に活用できるように,身近な素材を活用した教材開発とする。その研究成果は次のようであった。

−小 学 校 理 科−
 新学習指導要領の指導内容で「新しく出てきたもの」「履修する学年の変わったもの」「取り扱い方の変わったもの」について体験的活動を重視して創造性を高めるための,次のような教材を開発した。

○1世代が短く,飼育や観察がしやすい 「フタホシコオ回ギの飼育とその活用」
○「ポーチュラカ類の開花運動の観察」
○「インジゴカーミンを用いた酸素の検出法」
○身近にある家庭用ラップの「しん」を用いた「上皿てんびんづくり」
○意外性で興昧・関心を高める「豆電球を用いた電流による発電量の測定」
○鮮明な映像が得られる「月・太陽用簡易ビデオ撮影システム」
○地学の野外観察に役だつ「県内の火成岩及び火山灰層の分布とその教材化」

−中学校技術・家庭科−
 新学習指導要領の中学校1学年技術・家庭科に新設された領域「家庭生活」の指導計画を作成し,次のような教材を開発した。
○家庭生活について自己認識を深める「パソコンを活用した家庭生活自己診断」
○学習の個性化・個別化を図り,室内の整備と美化に役立つ「小物の製作」
 (タオルストッカーづくり,ポット台づくり,小物入れづくり等)

2.次年度研究の進め方

 平成5年度も研究主題に即した多くの教材開発を継続するとともに,開発した教材を研究協力校で本格的に試行し,その成果と問題点などを把握して改善を図りながら2年間の研究をまとめ,普及を図る。


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