福島県教育センター所報ふくしま No.106(H05/1993.3) -011/038page

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日新聞「クリントン大統領誕生(6308)」)を提示し,「起承転結」の「転」の部分に入ると思われる言葉を書き入れさせた。吹き出しの言葉は,児童が登場人物に同化しやすく,ストーリーの流れの段階的な変化が顕著であるものを取り上げたので,児童にとっては考えやすかったようである。

[児童の主な回答例]
○ なんでわかったの
○ おばあちゃんすごい
○ どうして知っているの(えらい)

 自然にこのコマでストーリーの流れが転換していることを感じ取っていた。また,4コマ目との関連を意識して言葉を入れていた。この学習を通して,物語には事件の発端があり(起),それが徐々に高まっていき(承),継続して来た話が急転回し(転),話の結末を迎える(結)というストーリーの段階的な流れが理解できたようである。この後,『ガラスの小びん』の学習に入ったが,前の学習が生かされ事件の発端から,クライマックス,終結部まで構造的に理解し,文章全体の構成を把握することができたと考えられる。

(2)象徴について学習させた授業
 「象徴」について学習ワークを使用して学習させ,言葉の裏に潜む意味をとらえる練習をさせた。(教材は小学校2年で学習した『スイミー』を使用した。)
文章全体を読ませた後,次の手順で「象徴」について考えさせた。

象徴 1
象徴 2
 ここで学習したことを参考として,『ガラスの小びん』の「象徴」について考えさせた。主人公と主人公に対比されている人物は,この作晶の登場人物が少ないこともあり,すぐに「わたし⇔父」と指摘することができた。

〔児童の主な回答例〕
児童の主な回答例

 学習の最終段階として,作晶の主題をこれまでの学習内容をもとにまとめさせた。両者がともに強くこだわり続けているものに「ガラスの小びん」がある。両者の間にそれを入れて関係を考えさせるようにした。一言でまとめるのがなかなか困難な児童には,「ガラス」「小びん」と一つ一つの言葉の持つイメージを掘り起こし,それらをっなぎ合わせて考えさせるようにした。これによって言葉の本来の意味をとらえ,そこから派生する意味まで理解できたと思われる。

〔児童の主な回答例〕
○ (親が子に)引き継ぐこと
○ ほこり(自信)を持つこと
○ 自分の大切なもの(甲子園の土のような宝物)を持つこと


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