福島県教育センター所報ふくしま No.106(H05/1993.3) -023/038page
5.研究の成呆と今後の課題
(1)成 果
○担任と家族が連携して指導援助をした結果,家族間の人間関係の改善が図られ,I子の問題行動を改善させることができた。特に,担任がひたむきな気持ちで接したため,家族の協力も得やすかった。
○諸検査を活用したことによって,担任の目だけでは拾いきれない児童の心の動きを,客観的に理解することができ,適切な指導援助の手がかりが得られた。
○学級や家族への指導援助を並行して行うことが,児童の問題行動をより効果的に改善できることが分かった。このことから,人的環境による影響は大きく,人格形成に大切であることが分かった。
(2)今後の課題
○教師が家族へかかわることには限界があるが,家庭は生活の基盤であるため児童が安定して生活できるように,きめ細かなかかわり方を家族に理解してもらい援助していくことがさらに必要である。
○児童一人一人の理解を深め,よりよい指導援助を推進するために,教育相談を効果的に進めていく必要がある。
○児童理解の方法としての心理検査の活用について,内容・方法の面から,さらに研究を深める必要がある。