福島県教育センター所報ふくしま No.106(H05/1993.3) -025/038page
めてのため,起動・入力方法・グラフ作成・印刷終了の一連の操作を自作の実習プリントに基づき行った。1時間の実習で,約60%の生徒が表計算ソフトウェアを用いグラフの作成ができるようになった。2時間の実習を組めばほぼ全員が表計算ソフトウェアを用いてグラフ作成ができる。
4.実習プリントの作成
生物の生態分野においては,野外・室内での長期的な観察が必要なため授業での実習は少ない。そこで,野外・室内の観察・実験のデータをグラフ化し,そのグラフから考察することにより法則性を導きだし,
自然に対する理解を深めていくことを試みた。以下の項目が実習のテーマであり,各項目ともデータを入力してグラフを作成し,このグラフからの考察を書き込めるような実習プリントを作成した。
1.魚の個体群 −カワムツの体長・体重分布から−
2.アズキゾウムシの個体群
3.アメリカシロヒトリの生態
4.ニホンザルの社会行動
5.アズキゾウムシとヨツモンマメゾウムシの競争
6.食うものと食われるもの −捕食過程の解析−
7.物質生産とエネルギーの流れ
8.二次遷移における林内光量の変化と極相林(ブナ林)の林内気象
5.結果及び考察
(1)情意面の効果
「授業に関する興味・関心」および「授業後の感想」について8回の実習での結果が次のグラフである。
これにより講義形式の授業に比べ非常に興味・関心が高く,回を重ねても低下していないことがないことが分かった。これは講義形式の授業に比べ生徒各人が主体的に取り組むことができるためと考えられる。