福島県教育センター所報ふくしま No.106(H05/1993.3) -027/037page
生徒指導・教育相談実践講座あ な た も カ ウ ン セ ラ ー
-不登校児童生徒への指導援助-教育相談部 荒 晶子・伊勢 英子・渡邊 和夫
103号 学業不振から不登校となった生徒への指導援助
104号 遊び・非行から不登校となった生徒への指導援助
105号 無気力傾向から不登校となった生徒への指導援助
106号 母子分離不安から不登校となった生徒への指導援助
不登校児童生徒をタイプ別に見ると,次のグラフに示すように「不安など情繕的混乱の型」が小学校・中学校ともに大きな割合を占めています。
<不登校のタイプ別分類(平成3年度文部省の学校基本調査資料より)>
「不安など情緒的混乱の型」の不登校の中でも,特に幼稚園児や小学校低学年の児童の場合などに 「母子分離不安」 によるものが多く見られます。これらについての主な要因としては,母親の過保護や過許容と子供の母親に対する依存の関係が考えられます。このような子供は乳幼児期段階からなかなか脱しきれないために,入学(入園)当初のささいな環境の変化に耐えられず,母親へ逃避してしまうことがあります。
「母子分離不安」を解消するには,望ましい母子関係の形成と子供の発達に応じた杜会性の育成を図ることが必要となります。本号では,「母子分離不安」の児童の事例を紹介し,その対応について考えてみます。