福島県教育センター所報ふくしま No.106(H05/1993.3) -033/038page

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社会学習自己点検票

2.結果の考察

ア.自己評価票の分析から
 「つらいけどまたやりたい」(下位生徒),「目標や内容を見て調べたり発表したりできた」(中位生徒),「自分たちで考えて自分たちでまとめ・・・・・協力してできた」(上位生徒)等の感想がある。また,目標を一律に設定するよりも各自の力に応じて下・中・上位の到達度目標と課題を選択させ追究した方が満足度が高い。これらの点から,今回の取り組みは,達成感を自覚しやすく一人一人の学習意欲を喚起するうえで有効だったと考える。

イ.アンケートの分析から
 見通しを持ち,自らの追究を振り返りさらに高まろうとする生徒が増えた。この点から,自分に合った形で追究させた今回の取り組みは,生徒の主体的な活動を促すうえで有効だったと考える。

ウ,イメージマップの分析から

イメージマップの分析
 一人一人の学力や興味・関心による違いはあるものの,それぞれの力に応じて地理的な見方や考え方にかかわる内容が数多く記された。この点から,今回の取り組みは,地理的な見方や考え方の基礎を身に付けさせるうえで有効だったと考える。

(3)結論
 各到達度目標に沿い,一人一人の学力や興味・関心に応じた課題を選択させたことで,学習意欲を喚起することができた。また,自らの追究を意図的に振り返らせたことで目標の達成感を自覚させることができた。この結果,それぞれの力に応じて地理的な見方や考え方の基礎を身に付けさせることができた。

4.反省と今後の課題

(1) 教師側で目標と課題を設定することは,生徒の追究範囲を限定してしまうことにもなる。生徒の個性の多様さに応じた自由な追究を保障していく必要がある。
(2) 「暗記教科」という意識を払しょくしていくためにも,興味ある教材の収集,開発,蓄積に努め,生徒が意欲的に取り組める授業を展開していく必要がある。


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