福島県教育センター所報ふくしま No.110(H06/1994.3) -003/038page
には重複したことを教えられているのである。
次世代のパソコン
しかし,こうした重複した教育を続けることはもちろん許されない。これは文部省の問題かもしれないが,どの学年レべルで何をどこまで教えるべきかを早急にはっきりさせて,生徒が過度の重複なしに,学年が進むにしたがって,スムーズにコンピュータへの理解とそれを使うスキルを身につけてゆけるようにはからう必要がある。
中学用の教科書を書くにあたって,われわれが心がけたのは,(1)生徒がコンピュータ嫌いにならないようにすること,(2)タイピンダ,それもキーボードを見ないで高速にタッチタイピングができるようにすること,この二っだけは実現させてほしいということであった。
この教科書については,利用開始4年後(今から3年先)の改訂を目指して,次の教科内容をどうすべきかの検討がすでに始まっている。ところがそれでまず困るのは,小学卒業生にどれだけのバソコン知識が想定できるかがはっきりしないことである。小学校ではバソコンは正式科目にはなっていないのに,一部の小学佼ではパソコンの使い方などを教えており,生徒はワープロ位は使えるという。一方何もしていない小学校も多数ある。生徒に一定のレべルが期待できないのである。
次の間題は,最近パソコンが急激に進歩したために,多くの中学校のバソコン教室に(2人に1台の割で23台程度)入っているパソコンが時代遅れになっているという事実である。数年先のことを考えると,世の中で使われるパソコンの大部分はWindowsなどのマルチウィンドウが使える機種になっていると予想される。しかし現在の中学校のパソコンの多くは性能が低すぎてマルチウィンドウが使えないのである。
Windowsが普及するとみられる理由はいくつかある。学校にとっての利点のまず第一歩は,Windowsなら機種によらず応用プロダラムや操作のやり方が共通でしかもやさしくなるということである。例えば同一のワープロソフトがPC9800バソコンでもDOS/Vマシンでも共通に便える。第二の利点は,新技術の産物であるWindoesの画面は基本的にグラフィックだから,文字の表示では文字の拡大や縮小が自由になり,文字テキストと図や写真を混在させるのが楽になるということである。
第三の利点は,マルチメディアへの対応ができることである。単にテキストや図のみならず,音声,音楽,カラー写真,簡易ビデオなどの組合せが扱えるようになる。そうしたマルチメディアを盛込んだソフトはCD-ROMの形で続々と発売されているが,これはテレビに慣れている子供にはピッタリである。
さらに重要なことは,これから発売される最新のソフトがほとんどすベてマルチウィンドウ対応になるということである。古いパソコンだと,新しい技術を盛込んだ新しいソフトが使えないのはもちろん,市販ソフトがほとんどないということにもなり