福島県教育センター所報ふくしま No.110(H06/1994.3) -011/038page

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所員個人研究 (小学校社会)


地 域 素 材 を 取 り 入 れ た 歴 史 学 習 の 指 導

−「河野広中と福島自由民権運動」の地域教材の開発を通して−


学 習 指 導 部 白 岩 ニ 朗



1 はじめに

自分の住む地域に対してともすれば無関心に過ごしがちな児童を,様々な視点から自分の住む地域に目を向けさせることは,社会的事象への認識を高めるうえで大切なことである。その一つの試みとして田村地区の地域教材として, 河野広中 こうのひろなか を取り上げ,明治初期の自由民権運助と福島自由民権運動とを関連させた歴史学習の教材化を図ることを試みた。

このような郷土の先達を取り上げて教材化すれば,児童は歴史学習をより身近な問題として考えるとともに,地域に対する関心をより高めることにより生きた歴史学習に発展させることができると考えたからである。

2 地域教材の開発と単元構想

河野広中等による自由民権運動は,板垣退助等の自由民権運動と並ぴ称されるものである。自由民権運動の学習を進めるには地域の先達を取り上げることにより,より児童の関心を高めることができると考え,『河野 磐州 ばんしゅう 伝』を始めとする関係資料を収集し教材化を図った。

地域教材の位置付け方には,

1.教科書教材による学習の中に地域教材を関連させて取り入れる。

2.教科書教材の単元構成の最後に,2〜3時間地域教材を位置付ける。

3.地域教材を独立した単元として位置付ける。

の3通り考えられる。

そこで,河野広中についての教材化を図るために児童に対し事前調査を実施した。その結果,河野広中についての知識,関心は次のとおりであった。(計32名)

・名前だけ知っている・・・・・・14人

・歴史民俗資料館の銅像・・・・・・9人

・偉い人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3人

・自由民権運動を進めた人・・・・1人

・知らない・・・・・・・・・・・・・・・・・・5人

上記のことから,河野広中の具体的な業績についてはほとんど知られていないことが明かになった。そこで,郷土の先達をより幅広く学習させたいとの意図から,独立した単元を設定したほうが効果が上がると考え,次のような単元を構成した。

[河野広中と自由民権運動](計9時間)

【河野広中ってどんな人】1時間
○ビデオを視聴し興昧を持つ。
【もっと詳しく調べよう】3時間
○「青年時代」「県議会議長時代」「衆

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