福島県教育センター所報ふくしま No.110(H06/1994.3) -021/038page
それを聞く機会を与えることが,リスニング力の向上に大きな役割を果たした。live listening ではAETの表情や身振りなどが聞きとりを助けてくれるし,聞き手自身も表情や身振りで理解の程度を話し手に伝えることができるからである。次に調査内容を記す。
〔tape listening とlive listening による生徒の理解度の違い〕
調査方法:国際文化科の1年生と3年生80名(各40名)を20名ずつのグループに分けそれぞれ異なった方法で教材内容を聞きとらせた後,英語の質間に対する正答率を比較し,内容の理解度を調査した。
テープ 方法1 教科書テープをそのまま聞かせる。 方法2 AET本文を一読してもらい,記憶に基づいて同じ内容を話してもらう。 ライブ 方法3 AETに本文をそのまま音読してもらう。 方法4 AETに本文を一読してもらい,記憶に基づいて同じ内容を話してもらう。 調査結果:次の表のとおりだが,ライプリスニンダの,それもAETの自然な語りかけがいかに効果的であるかがわかる。
(英語による質問5つ。合計5点満点) 教 材 方 法 1年 3年 平均 テープ 教科書用テープ 2.2 2.9 2.6 AETによる言いかえ 2.1 3.0 2.6 ライブ AETによる音読 2.1 2.7 2.4 AETによる言いかえ 2.3 3.4 2.9 (3) Jigsaw Listening で意欲をアップ
ジグソーリスニングの実施には良い教材とLLやテープレコーダーが必要だが,これは大きな威力を発揮する手法である。複雑と思われる教材の作成もAETの協力を得ればそう難しくはない。事前に3種類のテープ教材を作成するが,テープ間に作り出す information gap が学習意欲をそそることになる。
〔Jigsaw Listening の指導過程〕
1. 全体を3つのグループに分け,それぞれに異なったリスニング教材を与える。(生徒の能力を少し上回るような Krashen の言うi+1のレベル(2)とする。)
3本のテープは全て同一のトピックだが,それぞれ完全な情報を含んでいない。2. グルーブのメンバー最低1人を含む新しいグループを作る。生徒は完全な情報を得るために別のグループからの生徒に問いかけていかなければならない。
New groups
3. クラス全体で各グループの出した推理結果について話し合う。
4. クラス全体で3本のテープを聞き,課題や謎を解決する。
〔参考にした文献〕
Marion Geddes & Gill Sturtridge
LISTENING LINKS(Heinemann)