福島県教育センター所報ふくしま No.110(H06/1994.3) -026/038page

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平成6年度・教育センター

「プロジェクト研究」紹介

当教育センターが設置された目的は,本県学校教育の向上・発展に寄与するため,研修・研究に開する事業を推進することにあります。研究にっいては,本県が当面している教育課題を踏まえて研究主題を設定し,当教育センターが所管している研修講座及び各学校の現職教育研究に資する先導・専門的な追究を目指しています。また研修については,学校経営に関する主題研修,教科指導の指導力の向上,生徒指導や教育相談の進め方,情報化に対応した教育の進め方等の研修を計画的,継続的に推進することにより,教職員の専門職としての資質の向上を図るとともに,社会の変化や時代の進展に対応する教育経営の推進に寄与することを目指しています。

これらの事業のうち,「プロジェクト研究」については,次年度からは,これまで各部単位に取り組んできた進め方を所全体で取り組む研究とし,本県が当面している教育課題の解決に資するよう先導的・専門的な研究推進を目指しています。

平成6年度のプロジェクト研究は次のとおりです。

1 学力診断テスト研究開発

新学習指導要領の趣旨を踏まえて,児童生徒一人一人の個性や能力の専重を図る学習指導を工夫・改善するとともに,新しい学力観に基づく学習状況や学力の実態を把握し,指導に役立てるため,「学力診断テスト」を開発する研究を進めます。

2 学カ向上調査研究

社会の変化に伴い,児童生徒のものの見方,考え方も多様化している一方で,基礎学力が身にっいていない児童生徒が増える傾向にあります。また県内の高校・大学への進学率が全国平均より低い段階にあるところから,これらの解決が本県の大きな教育的課題となっています。学力向上を図るための視点はどこにあるのか等の間題について様々な視点から調査研究し,県の学力の現状と問題点を把握し,学力向上に向けての方策を探ります。

3 情報教育ネットワークシステム研究

情報化の進展に伴い,学校における教育活動や教職員の研究等への支援のため,多岐にわたる教育用データベースやソフトウェアライプラリー等の利用できる環境の構築が課題となって来ました。そこで,「教育情報ネットワークシステム」を築くため本県においてどのようなネットワークシステムが適切なのかについて調査研究を進めます。

4 教育相談調査研究

不登校をはじめ増加傾向にある「学校不適応」の背景にある様々な要因の本質をとらえ,適切な援助の在り方を実証的に調査研究していきます。これまでの研究で明らかになった不適応状態にある児童生徒への援助の方向性を踏まえ,集団・対人への適応力を高めるため,「環境と個人の調整と構成」に向けた指導援助の試案を作成して行きます。


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