福島県教育センター所報ふくしま No.110(H06/1994.3) -032/038page

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(1) 研究の概要

1. 教育研究の内容や手法の習得に関する研究
主題や仮説の共同検討,共通理解の下に授業実践を量ねる必要があると考え,次のような研修の機会と場を設定した。

ア.研修時間の確保
このことで,次のように改善した。

改善前の研修時間
◇毎週金曜日 14:30〜16:00

改善後の研修時間
◇毎週月曜日 15:20〜16:00
◇毎週金曜日 14:30〜16:00

○ 週の研修回数を2回に増やし,月曜日に全体会を位置づけた。

イ.研究仮説設定の手順の見直し及ぴ仮説の共同作成
前年度までは,研修主任が原案を提示し全体で協議していたが,本年度は研修主任としての原案を出す前に,次のような検討の視点を提示した。

・ 昨年度の仮説で問題はないか。
・ 問題あれば,過不足の部分は何か。
・ その根拠となる理論は何か。
・ どのように成文化すればよいか。

その結果,かなりの時間は要したものの,数多くの見方考え方が出てきて研究仮説を作成することができた。

※研究仮説(省略)

ウ.仮説の重要性にっいての啓蒙
授業研究が迫るにつれ,本時の授業案に夢中になり,仮説検証の視点が薄らいでいく傾向にあった。そこで,折りにふれ研修だよりや資料提供を通して,「仮説検証のための研究方法」を具体的に話し合っていった。

「研修だより」例

表現力育成に重点を置いた日々の授業展開を!

「あなたの学校の研究仮説は?」と問われてどこまて答えられるでしょうか。ましてや「具体化された仮説は?」となると。

「顔を見ろころには,しっぼをわすれているほどながい」〜スイミーじゃありませんが,研究が長引くほど,細部にわたるほど,あれもこれもとやらなきゃならないことだらけで,ついつい大事なことを置き忘れてしまいがちです。仮説は,我々の研究の尻尾ではなく,むしろ顔です。いわぱ,「研究仮説という顔」をたてるために,模索した手立てを講じて検証授業をやっています。「顔が立つ」(仮説が立証される)ということは,子ども自身がそこまで向上的変容を遂げたと解釈していいと思います。そこまて到達しないと検証授業をやっている意味がないとさえいえます。検証授業のスタイルは,我々にそこまでの厳しさを要求する代物だともいえます。ですから,「しっぽを見るころには,顔(仮説)をわすれているほど」では困るのです。「しっぼを見るころにも,顔をわすれてはいない」姿勢を持ち続けることが最も大事なことだと考えます。

もう一度仮説にフィードパックしてみましょう。その中心は「自ら学ぶ力」,そして「豊かな音声表現力」です。自身の日々の授業を振り返り,果たして子どもたちにどのような力が育ってきているのかと反芻してみることがとうしても必要だと思います。育ってきているならば継続実践すれぱよいし,不十分ならぱ手立てを強化するか,新たな手とてを講じなければならないでしょう。

2. 事後研究会の持ち方の改善実施

このことについては,以下のように改善を図っていった。

改善前の協議内容
(1) 質問
(2) 話し合い
○ テーマを中心に
○ 授業全般にわたって
○ 抽出児童の反応
○ その他

● 内容か広範多岐にわたり,なかなか焦点されなかった。

● 従って,本授業の成果と課題が明確にならないまま終わりがちであった。




改善後の協議内容
(1) 授業のねらいと手立ての確認
(2) 教師の働きかけと児童の反応(手立てを中心に)
○ 働きかけ
○ 反応〜抽出児
(3) 手立ての有効性
(4) その他授業全般にわたって

○ 授業に位置づけた仮説の具体項目と手立てをまず確認した。

○個々の手立てを中心に,有効であったか否か,教師の働きかけと児童の反応から裏付けていった。有効でなかった場合の他の手立ても模索し合った。

○授業観察の際に,あらかじめ本時の授業の手立てを書き込んだ記録用紙を配布し,それを中心に観察しあった。


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