福島県教育センター所報ふくしま No.110(H06/1994.3) -033/038page

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3. 児童の変容調査からみた研究成果の分析

本校では,国語科における表現力の向上を目指して研究実践を重ねてきた。児童一人一人の向上的変容がみられれば,研修に対する教師の関心・意欲は高まるであろうと考え,変容調査を行い,以下の結果を得た。

表現力に関する変容調査(対象〜本校全児童317名)
項 目 平成3年12月 平成4年12月 調 査 方 法
話す力 声の大きさ(点) 1.5 1.7 ※「昨日のこと」を教師の前で1分間自由に話す。○〜2点,△〜1点,×〜1点とした平均点で表した。
語尾(点) 1.5 1.7
文の構成(点) 1.3 1.4
話す意欲 挙手(%) 68.4 73.5 ※「『か』のつく言葉は?」と質問。すぐに挙手できた人数の割合。
音読・朗読 ひろい読み(%) 26.1 14.6 ※学年に応じた初出文章で調査。回数は,一人あたりの平均回数で,所用時間は,一人あたりのかかった平均時間で表した。
とばし読み(回) 0.5 0.4
想像読み(回) 0.9 0.8
漢字間違え(回) 1.4 0.9
所用時間(秒) 35.8 34.0
作文力 文字の数(字数) 90.5 95.6 ※学年に応じて簡単な課題を与え,1分間で書いた平均文字数で表した。

4. 校内研催に対する教師の意識調査

※対象〜本校学級担任及び担任外教諭16名
※調査時期〜9月調査(細点線),12月(太点線)

校内研催に対する教師の意識調査

両調査の間には,国語科学習指導についての研究公開発表があった。教師集団が熱心に取り組んでくれた結果もあり,どの項目も評価が高まってきた。

(2) 研究の考察

○ 仮説検証授業の手法についての研修の機会を持ち,そのねらいと性格を明らかにしていった結果,仮説の重要性を共通認識し,テーマに迫るための手立てを試行錯誤しながら講じていくようになった。

○ 事後研究会で,手立ての有効性を協議の住に据えていった結果,話し合いの内容が焦点化され,深まりがみられるようになった。

○ 児童の変容調査の結果,研究の成果が表れたことは,教師一人一人に確かな手応えをもたらし,大きな励みとなっていった。

○ 校内研修に対する義務意識を転換すべく手立てを講じてきた。今では研修主任として提起する前に,あれこれと提案・指摘してくれる声,寸暇を借しんでプロック会や部会を開いて熱心に討議する姿が目立つようになってきた。国語科研究公開においては,教職員一人一人が,それぞれの持ち場で,自身の持ち味・持てる力を存分に発揮し,充足感を得ることができた。

6.今後の課題

(1) 研究公開発表という目標がなくても関心・意欲を継続して高めていきたい。

(2) 全体と学年プロックのテーマは,間を置かずに設定するとさらに充実する。

(参考文献省略)


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