福島県教育センター所報ふくしま No.113(H07/1995.2) -016/038page

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のか,それともカナダに入ったのだろうか。現在地はどこなのだろう。」

このような疑問を抱く生徒が予想されれば,それに応える教材研究が必要である。

否,communication 能力の育成という視点から教師自ら教材に問いかけながら,教材研究を深める姿勢が必要なのである。

communication には場面,物の見方,考え方,文化等が色濃く反映されるから,communication 能力の育成のために上記のような点からも教材研究を深め,広げることが重要になってくる。生徒が音読するにしても,場面をしっかりとイメージし,内容を理解して音読する場合と日本語での翻訳の意味は分かるが,イメージが全く浮かばない場合の音読ではその学力には歴然とした差異が生じる。「滝は falls と覚えなさい」というより,どうして複数形の falls なのか言語や見方,考え方,習慣等に触れながら文法事項を定着させることがより効果的で着実に communication 能力の育成にアプローチできると思われる。

またPart 2 では新出の基本文は最上級で,本文は Ken が Are Niagara Falls the biggest in the world ? と質問するところで終わっている。Yes とも Noとも応答していないのである。ここからどのように発展させるかは教材研究の在り方によって大きく変わってくる。世界の滝を列挙して,No の応答を加味することもできるであろう。しかし,communication 能力の育成という視点に立って生徒に主体的に調ベさせたりすれば,知的好奇心を刺激するだけでなく,応答を念頭においた communication への積極的な態度も養われるのである。教材研究を進めていくと,研究すべき領域はしだいに広がり,深まっていく。そして,英語の目標,生徒の実態等を考慮しながら,どの程度まで指導するかは教師が意思決定しなければならない。

3.Let's Read の例

Let's Read は目標とする Target Sentence 等が明示されていないだけに,投げ込み教材の場合と同じように教師がどのような教材観をもって教材研究を進めるか,その在り方が問われる。中学2年の A Funny Job. を取りあげてみる。主人公の Mary は Rogers 夫妻の家で働くことになった。夫妻の家に着くと夫妻は Mary にやるべき仕事のメそを渡して,出かける。story は次のように展開していく。

Mary thought, “First I'll make a lemon pie. Then I'll do the things on the list. The pie will be a surprise.”

After she made the pie, she looked at the list.

1.Clean the hall and put the lights out.
2.Draw the curtains when the sun comes in.
3.Dress the chicken in the refrigerator.

この後,Mary はメモに書いてあることを忠実に果たす。しかし,Rogers 夫妻は帰宅するや,怒ってしまう。電灯を日光浴


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