福島県教育センター所報ふくしま No.113(H07/1995.2) -028/038page
2. 対象児について
○ 実態調査をもとに孤立傾向にある児童や学校不適応意識の強い児童の中から,援助の手を差しのベていくことが必要であると思われる児童5名を選出する。(K子はその中でも特に級友からの排斥が多かった児童である。)
○ K子について調査から分かったことは次のとおりである。
・級友からの選択者0人・排斥者9人(ソシオメトリックテスト)
・いじめや無視がある。
・自分でも,30人中14人を嫌い,自分を周囲は全く理解してくれていないと思っている。(3) 指導援助の方針
1. 学級全体に対して
○ 実態から,対人関係の中で他者受容や自分の本音を表現できるグループ・エンカウンターを取り入れていき,信頼関係が図れるような温かい人間関係を体験していけるようにする。
2. K子に対して
○ グループ・エンカウンターでは,K子に必要とされる内容(友達から受容される気持ちや自分から友達を信用する気持ちを体験する)を意図的に取り入れる。
また,その際,自分から素直な気持ちで集団の中に入っていけないときは,担任が直接援助する。
○ K子の様子を観察しながら,特に,本人の自己イメージが高まるようなことぱかけや教育相談などの援助にも心がける。
(4) グループ・エンカウンターの実施内容と方法
1. 年間指導計画に合わせた演習の構想(表−1)
2. グループ・エンカウンターの進め方
○ 全体の演習の構成は,10種類の演習と,それと関連あるウォーミングアップとして簡単にできる演習を組み合わせたものをプログラムとして準備する。
○ 授業の中では,導入でウォーミングアップの演習を行った後,展開で十分に中