福島県教育センター所報ふくしま No.113(H07/1995.2) -029/038page

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心の演習を行い,終末に演習を振り返るという進め方を基本にして行う。

○ 実施にあたっては,1時間のものを8回(9月1日から11月24日の長期にわたって)行い,最後の一回(2月8日)はより効果を高めるため,達続して六つの演習を行い,温かい人間関係が体験できるようにする。

3. 第9回目に実施した演習の概要紹介
演習の概要紹介

(5) 児童の変容と考察

1. 学級全体について

○ 事前・事後調査の結果の比較から
事前・事後調査の結果の比較から

* 以上のことから,身体的にも精神的にも学校不適応意識の割合が減っていることが読み取れる。
また,友人関係においても孤独感が減少し,信頼関係が深まっていることや積極的な交流がなされてきていることが読み取れる。

○ ソシオメトリックテストから周辺・孤立児であった児童のうち2名と多くから排斥されていた児童1名は,自分が入りたいと希望した集団に入ることができた。

○ グループ・エンカウンターを実施しての感想

<学級全体の雰囲気の変容>では,97%の児童が,「楽しくなった」「明るくなった」と答えている。

<友達に対する見方での変容>では,もっとも多かった83%の児童が,「友達と一緒にいるなあという気持ちが持てた」と答えており,次いで80%の児童が,「友達を信用できるようになった」「友達っていいなあと思うようになった」と答えている。

<自分の行動の変容>では,もっとも多かった80%の児童が,「相手の気持ちを考えて行動するようになった」と答えており,次いで76%の児童が,「友達に親しめるようになった」と答えている。

* 以上のことから,それぞれの観点において多くの変容が見られた。中でも,学級の雰囲気が変容していることや友人関係での信頼関係が深まっていることについては,ほとんどの児童が認めている。
更に,順位の項目を比較すると,この学級にとってどんな点で,“グループ・エンカウンター”が役立っているかも読み取れることができる。

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