福島県教育センター所報ふくしま No.113(H07/1995.2) -032/038page

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4. 事前・事後テストを実施し,それらを分析するとともに,正答率から理解度,定着度を捉え,考察する。

(2) 指導の概要

1. 単元全体を通した作業的学習の種類と内容

本単元における作業活勤のねらいは,地理的な臨場感に迫り,地理的事象を客観的且つ具体的に捉えさせることであり,さらに,作業活助を通して,生徒一人ひとりの学習への主体性を養うことにある。そのため,単元全体において作業活勤の場をできるだけ多く設定することとした(下図)。単元全体を通した作業活動の種類と内容を設定する場合,次の2点に留意した。

・表面上の作業で終わらないようにする

・生徒の作業に負担がかからないようにする

単元全体を通した作業的学習
◆作業活動の種類
(1)各種資料の読み取り活動
(2)ワークシートへの書き込み,着色等
(3)映像資料等の視聴活動
(4)実験や具体的なモノを用いての実験活動等
(5)グループやペアによる協力学習
(6)新聞や報告書の作成
学 習 内 容 作業活動の種類

1.九州地方の概要把握
2.九州地方の位置と自然
3.沖縄の風土と人々
4.離島の人々のくらし
5・6.九州地方の農業1
−シラス台地の農業−
7.九州地方の農業2
−宮崎平野と有明海沿岸の農業−
8.九州地方の農業
−変わりゆく北九州工業地帯−
9.九州の漁業−制限される漁業−
10.学習のまとめと「九州新聞」作成

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特に,ワークシートと映像資料の活用は,生徒側の社会科学習に対する強い希望でもあったことを踏まえ,次の視点に立ってその活用を図ることとした。

・主体的な学習活動を促し,学習内容の理解と定着を期す

・生徒の学習への願いを生かし,生徒に「わかる・できる」という充実感を抱かせる

2. 検証授業の概要(略)

(3) 考察

1. 単元全体を見通した作業的学習

ア 映像資料の活用から

今回の作業的学習の中で,視聴覚教材の活用は単元全体を通して,力を入れた分野の1つである。特に映像資料の活用は,地理的臨場感や実地見聞に迫る上での効果を期待したものである。その結果,今回活用した映像資料は,学習内容を理解する上で効果が高かったことを知ることができた。

イ 実物教材の活用から

沖縄の授業では,沖縄民謡の音楽教材やビデオ教材を活用するとともに,亜熱帯性気候の特色を体感させるために,沖縄産のさとうきびやヤシの実,バイナップル等の実物の試食を行った。これらの活用は,生徒の興味や関心,そして意欲を喚起させる上での効果はとても高かった。

ウ ワークシートの活用から

ワークシートには,自主的に学習を進めていく上で必要な諸資料を精選して掲載し,合わせて資料活用の能力を養うことも意図した。その結果次の様な調査結果が出た。

□九州地方の学習で使用したワークシートは学習を進めていく上で 役に立ったか?
たいへん役に立った……………85%
役に立った………………………15%
あまり役に立たなかった…………0%
ぜんぜん役に立たなかった………0%

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