福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.118(H08/1996.7) -009/042page
になればすばらしいですよね。
【校内研修推進課題の解決に向けて】
佐久間 今、先生方からご指摘ありましたよう な校内研修推進上の問題点や課題を解決してい くために、どのような改善への努力をしていっ たらよいかということについて、それぞれのお 立場からお話をお聞かせください。
まず、松崎先生、「教師の研修意欲」という 点についてお話ください。
松 崎 わたしは以前小教研の仕事をしていま したが、主題研修会や研究協議会に参加される 先生方はさすがに研修意欲が旺盛です。
そのような先生方が、つまり、県レベルで勉 強した方たちが、地区や学校の核になって活躍 してレベルアップに努めてほしいと思います。
また、「好きこそものの上手なれ」と言われ るように、自分の得意な教科、好きな教科を中 心(核)として研究を進めることが先生方の特 性を磨くためにもいいのではないでしょうか。
佐久間 網代校長先生は、校長時代に新しい校 内研修の方向を求めて実践されてきたとお聞き しておりますが、先生の校内研修に寄せる思い をお聞かせください。
網 代 まず研究テーマの設定に際しては、 《学校教育課題の解決》 と《教師個々の生涯を かけた発達課題の達成》 という2つの要請に応 えたいということです。前者の要請は当然です ね。後者については、個々の職員の関心・必要 ・能力のほか、年代的および校内・外の位置等 の個性的な立場〜つまりは発達課題〜をテーマ 設定に生かそうというのです。この側面はこれ まであまり重視されなかったと思いますが・・・。
それは一見「個人研究」のようですがそうで はありません。学校で最たる教育目標と見た 『児童個々に 自分を生かす姿 を具現する』とい う一定方向の共通課題があり、それを達成する ために、職員が個性的立場を生かしながら各自 テーマを設定して研究を進めようとするのです。
研究は学校としての標準スケジュールに沿い ながらも各自のペースで進めますが、もちろん その過程では公私を問わず交流と切磋琢磨があ り、また研究の成果は紀要や発表会で公表され、 学校経営や教育実践への「提言」として生かさ れます。ですから、そうした意味では共同研究 の一態様といえるのではないかと思います。
自己評価になりますが、2年間の実践では多 くの部分に成功要素がありました。一方、校長 の意図が十分に機能しない部面もあり、また一 人一研究の体制で研究が果たして深化できるの かとの疑問も提示されました。しかし、この試 みは先ほど述べた校内研修の問題点の打開へ向 けた一学校の選択であり、挑戦でもあります。
何よりも、学校一研究の進行に全員かぞろぞ ろと追随しての研究成果の大きさよりも、個々 の職員が職種を超えて全員自ら研究を開発する