福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.118(H08/1996.7) -013/042page
師自らが高まることだと思います。教師同士が お互いに教え合い、研究し合おうとする気持ち を持つことが不可欠なことではないでしょうか。
庄 司 研究仮説にかかわることですが、2〜 3段階程度に分けて具体化をした方がよい場合 が多いように思っています。そして、研究仮説 が児童生徒の日常の学習活動につながっている か、他の先生方とのつながりが見えやすくなっ ているか、十分に吟味することが大切だと思い ます。
年齢差、経験の差、男女差等により教 員一人一人のニ一ズや課題などが異なる訳です から、主任の先生は研究仮説と一人一人の先生 とのつながりを見えやすくしてやることも大事 になってくるのではないでしょうか。
二つ目としては、毎日の学びが子供の成長に 具体的に関わるように、イメージしやすいテー マの立て方を工夫することも大切なことではな いでしょうか。
最後に、「研究すること」は、若さを保つ秘 訣にもつながるのではないかと思います。
佐久間 最後になりますが、県教育委員会とし て、各学校の研修に望むことがありましたらお 聞かせください。
高 原 教員は、日々世の中が変化する中で子 供を指導し、そして教育に関する専門職である 以上は、常に研修していかなければなりません。 このことを前提として教育委員会として望みた いことを3つお話します。
一つは、今までの校内研修の形をそのまま残 すということでなく、工夫していただきたいと いうこと。
そのためには、先進校や先進地区に学びなが ら研修体制を確立し、児童生徒がこれからの社 会の変化に主体的に対応するための基礎的・基 本的な力が身に付くようにするための研究に取 り組んでいただきたい。
また、その取り組みも各学校におられる一部 の優れた先生の力だけに頼っていたのでは組織 力は高まりません。その先生が転勤するとその 学校が駄目になってしまうようではこまるので、 組織による教育力の向上が図れるよう、研修及 び研究体制を整える必要があるのではないでし ょうか。
二つ目としては、量より質、形より内容への 発想の転換を図ってほしいと思います。
無駄なことに時間をかけ、日常の授業が学校 の組織としての教育課題としっかり結び付いて いるか、本当に大切なことを見失っていないか という点に十分留意して研修を進めていってほ しいと思っています。
三つ目としては、研修の機会を与えることは 教育委員会の責任です。今後も、先生方が研修 しやすいよう積極的にバックアップしていきた いと考えています。
終わりに、これからは何かと大変な時代にな ってきますが、最終的には、先生方が研修を大 事にされない限りは、良い授業も生まれないし、 確かな学力も子供達に身に付かないのではない かと思いますので、どうかそれぞれの学校でそ れぞれの工夫をされ、すばらしい研修を進めて いってほしいと思います。
佐久間 先生方には何かとお忙しいところ、貴 重なご意見、お考えを頂戴いたしまして本当に ありがとうございました。
(平成8年6月7日、福島県教育センター121研修室)