福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.118(H08/1996.7) -024/042page

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研究紹介

説明的文章の読解の学習における主体的な読みを育てるための、個に応じた指導法の研究

〜ティーム・ティーチングによる指導を通して〜 

 

白河市立白河第二中学校教諭   後 藤 さとみ

 I 研究の趣旨

  説明的文章の学習において、学習の初めの段 階で喚起された学習意欲が、学習が進むにつれ て次第に減退してしまうという傾向が見受けら れる。このことは、教材の内容的なおもしろさ や新鮮さによって喚起された学習意欲が、教師 が設定した受け身の学習を重ねていくことによ り、次第に減退してしまうということを物語っ ているように思われる。

  そこで、生徒の学習意欲を持続させていくた めの基礎となる思考力・判断力・表現力などの “学ぶ力”を鍛え、知識・理解・技能の定着を 図っていくための指導計画のありかたや、個に 応じた指導方法を探りながら、生徒の主体的な 読みの態度を育てていくことをねらい、上記の ように研究主題を設定した。

 II 研究仮説

 1 仮説

  説明的文章の読解の学習において、次の ような手立てを講じれば、生徒の個性が生 かされ、学習意欲が持続するとともに主体 的な読みの力が身につくであろう。

  1. 生徒自らが学習計画を立て、学習コースを選択する場の設定。
  2. コース別グループ学習による相互学習の場の設定と、ティーム・ティーチングによる個別指導の充実。

 2 仮説に関わる概念規定

 (1)「生徒の個性が生かされ」とは

  生徒自らが、自分の実態や興味・関心をふま えて学習計画を立てたり、一人学習を生かしな がらグループでの話し合いをしたりすることに より、課題についての考えを練りあげていくこ とができるようにすること。

 (2)「学習計画を立てる場の設定」とは

  生徒が学習計画を作成する段階において、テ ィーム・ティーチングにより個に応じた指導を 行う。それによって生徒が学習の見通しを持ち 意欲的に学習に取り組むことができるようにす ること。

 (3)「コース別グループ学習」とは

  生徒の学習計画に基づき複数の学習コースを 準備し、自分に合ったコースを選択させる。さ らに小グループを組ませ、互いに考えを交換さ せることにより、課題についての考えを深め合 うことができるようにすること。

 <ティーム・ティーチングの指導>


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