福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.118(H08/1996.7) -031/042page

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や「秋」との関連で内容(3)を取り上げている場 合がある。

ア 内容(3)の「季節や地域の行事にかかわる 活動を行い〜」を「冬のくらし」の中で取り上 げている小学校がほとんどである。  

イ 「たこ作り」や「節分のまめまき」など 指導計画上に示されているのは7校である。そ の他、「だるま市」や「とりおい」、「だんご さし」等が取り上げられている。

  多くの小学校では、「冬の行事を探そう」と いうように大きく取り上げるに留まっており、 地域の行事を生かせる単元ではあるが、パター ン化している単元とも考えられる。

  さらに、この内容では、第1学年で同様の活 動をしでいる小学校があり、第1学年と第2学 年の活動の関連、発展性に配慮した計画にする 必要がある。           

V 研究のまとめと今後の課題

 1 研究のまとめ 

 今回調査した小学校60校は、県内各地区か ら大・中・小規模別に抽出したものであり、昨 年の福島県内小学校の生活科指導計画の現状の 一端を伺うことができる。しかし、今回の調査 研究は、あくまで指導計画上に表れたことを読 み取ったものであり、指導計画上から読み取れ ない実際については排除している。そのことに 留意し、今回の調査結果から今後の指導計画改 善に向けての視点となることを記して、研究の まとめとしたい。

(1)教科書会社作成の指導計画や広域カリキュ ラムを利用している小学校が約半数にのぼるが、 今後、地域や学校、児童の実態等を生かした学 校独自のものに改善していく必要がある。

(2)「季節や地域の行事」を具体的に活動とし て生かしている小学校は少なく、地域を見直し 活用していく必要がある。 

(3)第1学年と第2学年の活動に同じ内容のも のがあり、活動内容の高まりや深まりが指導計 画から分かるよう、各学年の内容を明確にする 必要がある。

(4)単元内容と各学年に示された内容6項目と の関連が明確でない場合があり、関連を明確に する必要がある。

(5)学校独自の指導計画を十分に活用できるよ う、形式や活用方法を十分に検討する必要があ る。

 2 今後の課題

  福島県教育委員会「平成8年度学校教育指導 の重点生活」では、「各学校の実態を踏まえ、 特色を生かした指導計画となるように、改善・ 充実を図る。」と各学校での実践を踏まえた一 層の改善を求めている。

  2年次の今年度は、今回の調査で調査対象と しなかった単元や指導計画全体における単元の 構成や配列等について研究を進め、生活科指導 計画改善の視点を、一層具体的なものにしてい きたい。さらに、児童の思いや願いを生かしな がら、教師の思いや願いをも生かす指導計画の 実際を探っていきたい。

 【参考文献】


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