福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.118(H08/1996.7) -032/042page
研究紹介
学習意欲を持続させる支援について
〜情意面を重視した授業の実践から〜
科学技術教育部
児童・生徒の情意面にいろいろな方法で働き かけを行い、その方法が児童・生徒の学習意欲 にどのような影響を与えるかを、「理科」と 「家庭科」で授業実践を行って調べた。学習意 欲を持続させる支援についての実践研究から一 部を紹介する。
I 情意面について
1 情意面と認知面の連動
「関心・意欲・態度」を情意面として、「思 考・判断」「技能・表現」「知識・理解」を認 知面としてとらえ、これらと「学力」の育成の 関係を次のように考える。
「関心・意欲・態度」といった児童・生徒の 情意面は、「思考・判断」「技能・表現」「知 識・理解」といった認知面の要素と連動してい るものである。
児童・生徒の学習は「面白い」「楽しい」な どの情意面だけが単独に進むのではなく、「わ かった」「できた」という認知面の高まりと連 動していくものである。このような考えから、 情意面を重視しながら、理解を深める学習指導 の方法や技術によって授業を継続的に進めるこ とで、学力の育成が図られるものと考える。
2 関心と意欲について
授業には「学習目標」「児童・生徒」「教師」 「教材」の4つの要素があるといわれている。 これらの関係は次の図のように示すことができ る。
このことから考えると児童・生徒は教師と教 材に支えられながら学習の目標に迫っていくと いえる。児童・生徒の心には教材に対する期待 と教師に対する思いや願いがあり、前者を「関 心・意欲」として、後者を教師に対する「支援 要求」としてとらえることにした。
研究では関心、意欲の程度を、それぞれ質問 紙を使って、児童・生徒の自己評価によって調