福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.118(H08/1996.7) -033/042page
ベ、その結果を数量化した。
3 児童・生徒の支援要求傾向
個人をみる視点として、認知面だけでなく、 児童・生徒が教師や授業にどのような思いや願 いを持っているか把握しておくことは大切であ る。
授業が教師の支援の基に行われることを考え ると、児童・生徒の思いや願いを満たしながら 学習活動が進むとき、学習意欲はより高まり、 教師との信頼関係が深まるものと考える。教師 は、児童・生徒の支援要求に応えるような授業 を進めていく必要がある。
研究では教師に対する支援要求の傾向を、質 問紙を使って、児童・生徒の自己評価によって 調べ、結果を数量化した。その調査用紙を次に 示す。
II 実践から
以下に、各授業実践の結果の一部を紹介する。
1 自己評価カードを通して児童との交流を継続した支援
(小学校・理科・6年)授業の後、学習へ取り組む意欲に関して児童 に自己評価させ、その結果に対して教師が一人 一人にコメントを返すという形で支援を行った。 単元の学習が終わるまでこのような支援を継続 したら、グラフにみられるような意欲の高まり がみられ、知識・理解の定着にも効果があった。 継続的な支援が効果的であった。
学習過程における情意面の変容
2 生徒の願いに応える手だてとして「学習日誌」を活用した支援
(高等学校・理科・1年)毎時間の授業での質問や疑問、感想や要望な どを生徒に自由に書かせ、教師がそれに応える 支援を絶続して行った。日誌の記載内容を通し ての支援の他に、日誌の受け渡しのときの生徒 との対話が生徒との信頼関係を深めるのに大変 役立った。また、成績が下位群の生徒に対して は学習意欲を高める効果があった。
図は、「学習日誌」の活用状況に関しての自 己評価と意欲の傾向の関係を成績群別にみたも のである。両者の相関は成績下位群で特に強く、