福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.118(H08/1996.7) -034/042page
相関関係は0.64であった。
「学習日誌」の活用と意欲の関係(B高校1の3 [科学IB] 31名)
3 調理実習を行うことの意味を理解させるため、導入段階で調理実験を取り入れた指導 (小学校・家庭科・6年) 調理実習の前に、食品の調理特性や調理方法 の意味などを理解させるための実験を行うこと によって、調理法への関心が高まり、調理実習 へ意欲的に取り組ませることができた。図は、 学習過程における関心と意欲の変容を児童の自 己評価によってみたものである。関心はあまり 変化していないが、意欲は調理実験を行ったこ とによって高まっていることがわかる。学習す ることの意味を事前に理解させるということは 意欲を持たせるために必要なことである。
関心・意欲の変容
4 生徒が自主的に取り組める天体教材の工夫
(中学校・理科・1年)金星の満ち欠けや、火星の視運動など複雑な 天体の運動を理解させるために、金星の運動の モデル実験器と火星の視運動のコンピュータシ ミュレーションソフトウェアを作り活用した。 どちらの教材も生徒が手を使って操作すること ができ、自分の理解の状況に応じて段階を踏ん で学習するので、思考を助け、また、現象をイ メージ化するためにも効果的であった。
図は、授業実践後の意欲と支援要求傾向の関 係を調べた結果で、意欲の評価の高い生徒が多 い。しかもそれらの生徒の支援要求傾向は事前 の調査より小さくなった。両者の間の相関係数 は-0.56で、このことは支援要求に応える授業 によって、学習に自主的に取り組むようになっ たことを示している。
意欲と支援要求傾向の関係
5 探求活動を主体的に行わせるための予備実験の導入
(高等学校・理科・1年)予め設定した複数の観察・実験の中から自分 がやってみたいテーマを選択させ、選択希望に 応じて班を編成し、各班に各実験を予備実験と して行わせた。本実験では、予備実験を行った 班員に指導的役割を与え実験を進めた。生徒主 導で実験が進められるので、指導する側もされ る側も大変意欲的に取り組んでいた。教師、実 習助手は必要に応じて支援を行った。