福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.121(H09/1997.7) -011/042page
力に感じられるのでしょう。
指導する前に、どれだけ具体的に子供の姿をイメージできるかというような事前の教材研究が基盤になってくると思います。
とにかく、一人で指導するよりは、複数で指導したほうが効果が上がるという単純な発想でT・Tをとらえていくことも必要になってくるのではないでしょうか。。
T・Tを成功させるために
佐久間 それでは、T・T導入の目的を達成し児童生徒の学力を向上させるためには、特に、どのようなことに配慮すればよいとお考えでしょうか。
ご自分の学校の実践を改善していく方向なども含めてお話していただければと思います。
今井理科で実践したT・Tのノウ・ハウをもとに、T・Tを全教科に広げたいと思います。
また、昨年度の理科の研究テーマである「効率的なT・Tの在り方」についてさらに研究的に取り組みたいと思っています。
複数の教師が指導に関われば効果が上がるのは当然です。しかし、2倍の効果をあげるのに3倍もの労力がかかったのでは、誰もやる気にはなりません。少ない労力で効果を上げられるよう工夫していきたいと考えています。
また、T・Tの授業を、教科外教師や学級担任、養護教諭等の参加のもとでも実践してみたいと思っています。
その前提になるのが、「いかにして生徒主体の授業を進めるか」いうことを本音で話し合うことだと思います。
ですから、事前の打合せはもちろん、事後の話し合いは不可欠です。
できれば、時間割上にその時間を確保されれば充実したT・Tが可能となるのではないでしょうか。
それから、「授業の雰囲気づくり」も大事だと思います。T・丁割り当ての授業の際には、必ず二人の教師が一緒に教室に向かうように心掛けることが原則ではないかと思います。
その他に、○様々なT・Tの形態を導入すること、○個別指導に当たる際に、あまり教え過ぎないこと、○コース別学習を取り入れる時は生徒一人一人に“自己選択能力"を育成しておくことなども人切なことだと思います。
菅野 蛭田先生が二人の教師が協力し合うことの大切さを話されていましたが、小学校ではすべての教科を一人の学級担任が指導しており、そこに担任外の私が加わってT・Tをすることになるわけです。したがって、それぞれの担任の持ち味を大事にしながら、授業に対する考えや子供たちをこう育てたいという願いなどについては、十分に共通理解を図って進めていくことが大切になってくると思います。
二人の教師が信頼関係で結ばれ、仲よくやっている姿を子供たちが見ているわけですから…