福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.121(H09/1997.7) -016/042page

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連載コーナー

 あなたもカウンセラー

〜不登校児童生徒への指導援助(児童生徒理解に立って)〜

                    教育センター教育相談部

121号 相談面接を通して、児童生徒の心を理解する。
122号 学校の指導援助態勢づくりを通して、児童生徒の心を理解する。
123号 家庭・専門機関との連携を通して、児童生徒の心を理解する。

 まず、二つのロールプレイング(役割演技)を味わってみましょう。Aは不登校児童生徒の保護者又は担任です。Bは不登校児童生徒本人です。

A : なぜ学校に行けない(来れない)の?
B : ………。
A : どうすれば学校に行ける(来れる)?
B : ………。
A : 黙ってちゃわからないよ。
B : ………。

B : なぜ僕(私)は学校に行けないの?
A : ………。
B : どうすれば僕(私)学校に行ける?
A : ………。
B : 黙ってちゃわからないよ。
A : ………。

 いかがですか。不登校児童生徒の保護者又は担任として、不登校児童生徒本人として、どんな気持ちを味わわれたでしょうか。

 不登校に限らず、問題行動を起こしている児童生徒への指導援助を行う場合、わたしたちはまず問題行動の原因を探ろうとします。原因が分かれば改善・解決のための方法を見いだすことができるだろうと考えるからです。

 しかし、不登校児童生徒の多くは、学校に行けない原因を答えられません。したがって、学校に行けるようになるための方法も見いだせません。そこで、不登校児童生徒の保護者又は担任は、焦り、苛立ちます。

 同様に、不登校児童生徒の保護者又は担任の多くも、子供たちが学校に行けない原因を答えられません。したがって、学校に行けるようになるための方法も見いだせません。そこで、子供たちも、焦り、苛立ちます。

 では、どうすればよいのでしょうか。

 教育相談部では、年間1,000件を超す来所相談、電話相談を受けています。そして、その6割は不登校に関する相談です。それらの相談から改めて今その大切さを感じているのが、 「児童生徒理解に立って」 という視点です。

 本年度の「あなたもカウンセラー」の連載では、不登校児童生徒への指導援助の事例を通して、児童生徒理解に立つことの意義とその在り方について考えていきたいと思います。


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