福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.121(H09/1997.7) -023/042page

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4 考察

1 「四角形探検カード」の活用について

自己評価における児童の意識変化(○印をつけた児童の割合)  児童の意識の変化をとらえてみると下のグラフのようになった。

 新しい発見の驚きと喜びが自由記述に多く見られ、普段はあまり手の挙がらない子も、意欲的に挙手する姿が見られるようになった。

 自由記述の欄を設けたことにより、一人ひとりの情意面を見ることができ、賞賛や励ましの言葉をかけてやることができた。

2 脱出カードの活用について

わけを説明するのは、本学級の児童の苦手とするところであり、その克服も意図していたが、本時のまとめの言葉を探検カードで確認することにより、説明できる子が次第に増えていった。

 作図の際、既習事項の定着に個人差があり、角度を測るときの分度器の使い方や平行線の引くときの2枚の三角定規の当て方など基礎的な技能が身に付いていないために戸惑う子もいて改めて算数科の基礎・基本の定着の重要性を感じさせられた。

3 児童の感想から

 単元を通してストーリー性を持たせたことは意欲を持続する上で、特に中位児や下位児には大変有効であった。

 探検カードについては「カードを見ながら発表できて、とても役に立った」とか「カードをもとにして調べたり、話し合ったりしたので楽だった」という感想をほとんどの児童が持っており、学習への主体的な取り組みを援助できたと思う。

 国語科の「学習の記録」の単元で、7名の児童が図形のきまりやかきかたという題名で本単元の学習を題材とした作文を書いたことから、この学習への意欲と関心が高かったことがうかがえた。

5 研究のまとめと今後の課題

1 研究のまとめ

 ○ 単元の進め方にちょっとした工夫をすることで、学習意欲が持続し、毎時問活発な活動ができた。

 ○ カードの工夫により、挙手や発表に自信が持て、授業が活性化した。

2 今後の課題

 ○ カードを簡素化し、児童が自由に工夫しながら使えるような改善が必要である。

 ○ 算数の本質に迫る内発的動機付けによる次時への発展が望めるような単元の進め方の研究をしていかなければならない。


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