福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.121(H09/1997.7) -026/042page
(5) 指導の結果
1 中心的話題を事前に印刷し準備しておいたため、作業をスムーズに進められた。
2 文の役割についてほとんどの班が見抜くことができていたし、文の中の接続詞や特徴ある文末表現などにも気づくことができた。
3 文や段落の役割に関しては、表現の仕方は多岐にわたっていたが、話し合いや授業者の支援によって、修正したりする姿が見られ、最終的にはそれぞれの役割や関係を把握することができていた。【検証授業2】
(1) 題材名「金星人気の教えるもの」 (6/7時)(2) 本時のねらい
筆者の文章の構成や表現上の特徴を生かし、意見文を書くことができる。(3) 授業仮説
筆者の文章表現上の特色をとらえて、それが文章を構成していくための有効な手立てであることに気づき、筆者の用いた文頭や文末の表現を取り入れながら作文することによって、論理的な文章が書き表せるであろう。(4) 指導の実際
授業者が設定した「枠組み」をもとに意見文を書かせる。テーマは自由だが、自分で決められない生徒には、新聞や雑誌の記事の中から興味関心のある事柄を選び、テーマを決定させた。また、そのためのワークシートを準備し、活用させるよう配慮した。設定した枠組みは、すべて使わねばならないわけでなく、どれを使用するかという点については、柔軟性を持たせた。
作文については、20分という日寺間内で書かせ、自己評価させた。
(5) 指導の結果
1 自分のテーマを決めるまでに時問がかかることを想定し、事前に考えさせておいたので、思いの外、テーマ決定までの時間は少なくてすんだ。生徒は、これまでも新聞を使った内容要約の学習などを行ったことがあり、それも彼らの活動を助けたと思われる。(資料2)2 周囲の生徒と「枠組み」の使い方や意見の述べ方について、互いに検討し合う姿も見られた。また、「枠組み作文」については過去に実施した経験をもつので、その用い方については、あまり疑問は出なかった。
3 考察
(1) 意見文の分析結果について
「枠組み」に無理なく自分の表現を当てはめていった結果として、問題提起や意見の叙述がより確実になった。また、題材に関しても、事前の準備によって身近な話題に着目しテーマを決定することができた。(資料3)