福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.121(H09/1997.7) -027/042page
(2) 意見文に関する意識の変容について
1 本研究によって、意見文の書き方がわかったと感じた生徒が増えたという調査結果が得られた。意見文は、作文の中でも苦手な分野に挙がっていたが、授業を通して書く楽しさを感じた生徒もかなり増えた。(資料4)2 意見文における「枠組み」の効果については、約88%の生徒が、意見文を書く方法として有効だったと考えていることが、アンケート調査の中からわかった。(資料5)
5 研究のまとめと今後の課題
1 まとめ
(1) 説明的文章の読解では、筆者の文章表現の特徴をとらえることによって、文章の展開に気づかせようと考え、ワークシートの活用やグループ学習の導入によって授業を実践したが、苦手意識も少なくなり、テストの結果からも、文章構成を見抜く力がついてきたと言える。
(2) 説明的文章から構成や表現十の特色を発見し、枠組み作文をすれば、論理的な表現を自己の表現に生かすことができるのではないかと考え、学習した教材の中から抽出した枠組みを配置し、それを利用して意見文を書かせた。意見文の分析結果や意識の変容の結果から、それが有効であることが確認された。
2 今後の課題
(1) 枠組み作文をさせるにあたっては、どのような枠組みを設定するかが問題であり、読解指導ができ、しかも明快な表現がとられている教材の選定に心掛けていかなければならない。
(2) 文章読解の指導の中で、いかに短時間で効率良く文章表現の指導を取り入れるかは、今後も研究を要するところである。
(3) 文章表現の学習においては、意欲の有無が大きな問題だと思う。意欲を喚起し、持続させるような指導の工夫にも努力していきたい。(※ これは、前任校いわき市立小川中学校での実践である。)