福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.121(H09/1997.7) -028/042page

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研究紹介

算数科における基礎学カの形成と指導法との関連に関する研究

   〜教師へのアンケートによる調査研究を通して〜

                  教育センター学習指導部 伊達多津也

1 研究の趣旨

 平成7年度、当教育センターでは、本県の教育課題である「基礎学力の向上」のために、小学校国語、算数、中学校国語、数学、英語を対象に、次のようなプロジェクト研究と部研究を行った。

課題解決のために

 このことから、小学校算数科においては、次のようなことが明らかになった。

1 プロジェクト研究(以下「到達度調査研究」という)から

 ・ 算数の全国比平均は92.8。
 ・ 成績分布は下位層に偏った分布。
 ・ 「量と測定」の領域が一番低い。
 ・ 計算技能が特に落ち込んでいる。

※ 「全国比」とは、本県の通過率を全国と比較したものである。100であれば、全国平均という意味であり、数字が高いほど到達状況において本県が全国に比較して優れているということである。

2 学習指導部研究(以下「学習に対する意識と行動調査研究」という)から

 ・ 算数を「楽しい」「わかりやすい」と感じている児童が約65%、学年が進むにつれて肯定的回答が減少する。
 ・ 算数の学習が好きな児童は61.1%。
 ・ 算数を好きになった時期として一番多いのが1年生。嫌いになった時期として一番多いのが3年生。
 ・ わかりにくい単元として「□を使った式」(3年)、「がい数」(4年)、「単位量当たりの大きさ」(5年)。
 ・ 算数の授業中、先生にほめられたことが「あまりない」「なかった」とする児童が59.2%。

 以上2つの研究は、児童・生徒を対象として調査したものであった。

 本研究に当たっては、以上の2つの調査研究と教師の意識との関連を明らかにしながら、問題点とその解決策を探っていきたいと考えた。

2 研究の内容

1 算数の学習に対する意識と行動について児童と教師との比較を行い問題点を探る。
2 基礎学力形成のために、算数科における指導法上で大切な視点を明らかにし、次年度の研究への足がかりをつかむ。


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