福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.121(H09/1997.7) -029/042page
3 研究の実際
1 調査の方法 調査研究(無記名)
2 調査対象
福島県教育センターにおける平成8年度の小学校経験者研修1算数講座研修者(56名)、小学校経験者研修皿算数講座研修者(42名)、合計98名を対象とした。
3 調査結果と分析
(1) 「到達度調査研究」との関連から
1 算数の授業における児童の理解度
〈算数の授業における児童の理解度〉
この調査は、国立教育研究所(注1)の調査と調査項目が同じものである。今回の調査を国研の調査結果(資料1)と比較すると、「80%以上理解」の段階が3.6ポイント、「60%以上80%未満の理解」の段階が20.3ポイント下回っている。
〈国立教育研究による「算数の授業における児童の理解度」調査結果〉(資料1) 20%以上40
%未満理解40%以上60
%未満理解60%以上80
%未満理解80%以上
理解0% 5.3% 84.2% 10.5% 教師の目から見た「算数の授業における児童の理解度」の調査結果は、木県の算数成績分布が下位層に偏った分布状況と、同じような形態を示している。ここから、下位層を引き上げ、上位層をさらに伸ばしていく必要性を感じる。
2 算数の指導上の問題点
下のグラフは、「算数の指導上の問題点として考えていることは何ですか。」(複数選択可)という調査結果である。
<算数の指導上の問題点〉
算数の指導上の問題点として、最も多いものが「個人差に応じた指導」であり、次いで「一斉指導の中の個別指導」となっている。このことから、一人一人に目を向けた指導について、大勢の教師が、どのように対応していったらよいかという課題意識を持ち、解決策を求めていることが分かる。
そこで、個人差に応じた指導をどのようにしているかについて、さらに調査した結果(資料2)、次のことが明らかになった。
ア 遅れがちな児童への対応
・ 遅れがちな児童に対しては、授業中に対応していこうとする姿勢が多く見られる。
・ 特別な課睡を与えたり、保護者への協力注1 「特別研究『基礎学力」調査報告書」(国立教育研究所平成4年)Pl02より