福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.122(H09/1997.11) -006/042page

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  今、ティーム・ティーチングの導入を

                       教育センター教育経営部

◇ はじめに

 21世紀を目前にして、学校教育を根本から転換することが、今、強く求められています。

 中央教育審議会は第一次答申(平成8年7月)において、これからの子どもたちに育てていく資質・能力は、「変化の激しい社会を生きる力一にあると方向づけています。

 そして、この『生きる力』は、「全人的な力」であり、「人間としての実践的な力」であり、「生きていくための『知恵』ともいうべきもの」であると意義づけています。

 また、これからの学校教育の目指す方向として、「生きる力をはぐくむ上では、一人一人の個性を生かした教育を行うことは極めて重要であり、そうした観点から、教育課程の弾力化、指導方法の改善、特色ある学校づくり等を一層進める必要がある。」とし、これまで進められてきた個性を生かす教育の一層の充実を図ることを求めています。

 このようなとらえ方を前提にして授業改善の方向性を探ってみると、これからの私たちが進める授業においては、子ども一人一人の可能性を伸ばすことを根底に捉え、子ども一人一人を全体として把握し、興味・関心、能力・適性、思考力、判断力、表現力等の一人一人の特性に応じて多様な指導方法を工夫するなど、個に応じた多様な授業を展開することが不可欠となってきます。

授業写真

1 今、なぜT・Tか

 子どもの個性を論ずるとき、次のようなことが例えとしてよく話されます。

 ハイキングに出かけた子どもが小さなせせらぎに行きあったとする。子どもはここをどう通り越すであろうか

 ある子どもは勢いをつけて飛び越そうとするであろうし、またある子どもはどこかに格好の飛び石はないかと捜し、それを足掛かりとするであろう。どこかに橋がかかってないかと迂回路を捜す子どももいるだろうし、ジャブジャブとせせらぎの中に踏み込んでいく子どもだっているかもしれない。つまり、これが子どもの個性的な振る舞いの仕方である。子どもがどの方法をとったとしても、誰もが「君のやり方は間違っている」という指摘はないだろう。

 そこにいかにもその子らしさを見い出すからである。

(1) 個性を生かした教育とは

 個性重視の教育は、学校教育に課せられた大きな使命であり、どの学校においても、どの教


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