福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.122(H09/1997.11) -012/042page

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4 学習空問を分担・協業する形態

 この形態は、教室を出て学校内外へと子どもの学習の場を広げ、よりダイナミックな学習を展開していく際に、複数の教師が、ある学習空間なり、活動場面を分担し合って進める指導の形態です。

 教室という一定の限られた学習空間の中であれば、私たちは目の前の子どもたちを掌握できるし、どの子にも指導の手をさしのべることが可能です。しかし、了どもの興味・関心を重視し、活動的で体験的な学習場面を設定したり、さらに学習素材を広く校外にまで求めたりするような学習では、教室だけが学習の場というわけにはいきません。教室を出て、学校内外へと学習の場は広がり、教師一人きりではとても対応できなくなります。こうした場合、複数の教師が、ある学習空問なり活動場面なりを分担し合って、子どもの学習活動を支援できるような指導体制を組織できれば、子どもの多様な二一ズにもきめ細かく応えることができ、指導の質を高めることができます。

 (3) T・T実践に当たって

 ティーム・ティーチングを効果的に展開していくためには、どのようなことに配慮していくことが大切か、そのポイントにっいて富山大学教授・山極隆氏は、次の5点をあげています。

○ 実施するに当たっては、前もってどのような課題に対応するために指導方法の工夫・改善を行うかを明確にする。

○ 加配教員の効果的な活用を含め、学校内の指導体制、研究体制を整える。
 特に加配された教員がいる場合、加配教員の専門教科だけが潤うといった考えだけではなく、学校全体の研究体制、協力体制を明確にし、加配された教員の専門教科を超えて学校全体が活性化する方向で指導体制等を整える必要がある。

○ ティーム・ティーチングをどの教科で行うのか、どの単元で行うのか、実施時期、実施時間はどのくらいにするか、その実施方法はどうするかなど、年間指導言十画の中に適切に位置づける必要がある。そのためには、当該教員だけでなく、学校全体が協力的な指導体制に基づいて積極的に取り組むことが大切である。

○ 学級の枠を超えた学習集団を編成する場合には、学習集団を固定化することなく、弾力的・流動的に行うこと。
 特に、中学校段階では、生徒の発達段階から、差別感を感じさせるようでは効果が上がらない。特定の教科で、それも年間の特定の時期で行ったり、学習集団の編成に当たっては、生徒の希望も考慮したりするなど、弾力的で柔軟な発想が必要である。

○ ティーム・ティーチングは、単に学習指導場面だけでなく、授業の事前、事後などあらゆる場面で、当該学年・教科等の教員が協力して行うことが大切である。 ・指導計画や学習指導案の作成等 ・教材教具の収集、作成、開発等 ・施設設備の有効活用等 ・学習状況の記録や評価等


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