福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.122(H09/1997.11) -014/042page
◇シリーズ
ティーム・ティーチングによる英語授業の在り方
教育センター学習指導部
1 はじめに
英語科においてALTとのT・Tは数年前から行われていたが、最近、日本人同士のT・Tが注目されその有効性が認められてきている。そこでは、ALTとのT・Tで培ってきたノウハウをJTEとのT・Tに生かしていくこともできる。
ある学校の場合は、週4時問の授業のうち、2時問を一人の先生の授業、1日時間をJTEとのT・T,1時問をALTとのT・Tと位置づけ、それぞれのよさをうまく組み合わせて効果を上げている。
2 T・Tによって期待できる効果
(1) 生徒側からのT・Tへの印象
昨年度からJTEとのT・Tを導入して実践をしてきた学校の、生徒のT・Tに対する評価はほとんどが肯定的なものであった。特に「すぐに質問できるので安心である。」「別の先生が来ると、授業が楽しくなる。」という声が多かった。実際、T・Tの場合には、一人の時より質問数が増えたり、生き生きとして取り組む生徒が増えたりした。
(2) 教師側からのT・Tへの印象
「生徒一人一人をきめ細やかに見る時間が以前より増えた。」「それぞれの教師の得意な分野を生かして授業を進められる。」「相手の教師の指導技術などが参考になり、自分の指導力、授業の力を高めることができる。」などの点があげられた。具体的には、英語が嫌いな生徒が減ってきたという変容も見られている。
3 T・T授業の実際
(1) 個への対応
T・Tのメリットの一つは教師の時間的な余裕によって、生徒の質問や疑問により速く答えられるというように、個に対応した支援ができるということである。
実践例として、日本のことを紹介する自己表現活動(3年生)を取り上げてみたい。この場合、T1は主に英文作成の面から、T2は音声面からの支援を行っていた。M子の質問に対する教師の支援を下の表にまとめてみた。
「M子への支援」
M子 「日本は海で囲まれている。」は、英語でどう言うのだろう?
↓
T1の支援1
・ 「囲まれる」は受身形。 ・ 受身形は教科書の……。
・ 「囲む」にあたる英語。 ・ 和英辞典をひく。(学び方)↓
M子 surround を受け身にすると?
↓