福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.122(H09/1997.11) -015/042page
T1の支援2
・ 受身形の形。
・「be動詞十過去分詞」
・ be動詞や過去分詞がわからないときは…。(学び方)↓
M子 surroundの過去分詞は? be動詞は?
↓
T2の支援1
・ 主語とbe動詞の関係。語順。
↓
M子 Japan is surrounded by the sea.
T2の支援2
・ 難しい表現だけど、うまく書けたね。
・ 発表するときはこの発音に注意しよう。
M子は自分の疑問を解決した喜びを感じ、さらに発表の練習も意欲的に行い、自分の作品を自信を持って発表した。
(2) 向上させることができる技能等
上記のように、「書くこと」の活動では、個人差への対応が容易になり効果をあげやすい。
当教育センターの平成7年度学力到達度調査において、本県の中学校2年の英語の学力到達度状況を調査したところ、生徒は「語順を考えて適切な文を書くこと」に最もつまずいていることがわかった。また、そのつまずきについてより詳しく調査した「平成8年度『学力到達度調査』に関わるテスト結果分析と考察」によれば、次の点が明らかになっている。
つまずきの原因と考えられるもの
単語、句の理解はできているが、文の理解が不十分で語順が暖昧。
↓
文中におけるセンスグループの機能の理解不足。(意味のまとまり)
これらのつまずきを解消するためには、たとえば、英文ライティングや音読において、T・Tにより「きめ細やかな指導」を行い、センスグループを意識させるとよい。その場合、T1が説明や指示を与え、T2は生徒を観察し、つまずきそうな生徒を指導する。また、説明が終わったら、T1もT2とともに指導に回り、個への対応を深めていくことができる。
(3) 留意したい点
お互いの教師の信頼関係なくしてはT・Tの授業の成立は望めない。
授業の準備や運営の都合上、メインとサブというように分けていても、実際の授業の中では教師がそのような意識を持たないで進めることが必要である。役割分担は指導の軽重で決めるのではなく、ねらいに応じて決められるべきである。
また、授業終了後には、少なくとも、次の視点からお互いに授業について意見交換の場がほしい。
・個々の生徒に応じた支援ができたか。
・教師相互の役割がうまく機能したか。4 おわりに
T・Tによる授業は生徒の英語学習を主体的なものにするための一つの引き金になっているばかりでなく、自分一人では気づかなかったことに気づくという点で、教師自身の指導力の向上のためにも大いに役立つ。
T・Tとなるとどうしても構えてしまいがちであるが、そのメリットを生かしつつ教師独自の工夫を加えていけば、生徒にも教師にも、お互いのためになる充実した指導をすすめることができるのではないだろうか。