福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.122(H09/1997.11) -016/042page
連載コーナー
あなたもカウンセラー
〜不登校児童生徒への指導援助(児童生徒理解に立って)〜
教育センター教育相談部
121号 相談面接を通して、児童生徒の心を理解する。
122号 学校の指導援助体制づくりを通して、児童生徒の心を理解する。
123号 家庭・専門機関との連携を通して、児童生徒の心を理解する。不登校児童生徒への指導援助にあたっては、組織的な対応が求められ、それぞれの先生方が、それぞれの立場で熱心に取り組んでいます。
担 任:○○君は、友達とのトラブルがきっかけで、5月中旬から休み始めました。現在は、私が家庭訪問すると、いろいろ話をしてくれるようになりました。でも、これからどうしたらいいのか……先生方の意見を聞かせてもらえれば……。
学年主任:先生と話ができるのなら、仲のいい友達を迎えに行かせてはどうでしょう。
担 任:そうですね。………。
養護教諭:でも、あせらないで、今は無理して登校させずに、家でゆっくり休ませた方がいいのではないでしょうか。
担 任:………。(そのほうがいいのかな)
生徒指導主事:今は本人とのパイプを太くしておくことが大事だから、養護の先生と連携して、定期的に家庭訪問をしてはどうでしょうか。
担 任:……そうですね。学年主任の先生や養護の先生と相談しながら、家庭訪問を継続したいと思います。また、ときどきは親しい友達にも迎えに行ってもらうようにしたいと思います。
(でも、……これで、本当にいいのかな………)
担任の先生には、「○○君の心をどう受け止め、どのようにかかわっていけばよいのだろうか」という不安な思いが残りました。それは、なぜなのでしょうか。
学校では、生徒指導委員会を開いたり、チームを組んで対応にあたったりするなど、不登校児童生徒に対する指導援助の組織が整備されています。しかし、その組織が十分に機能していない場合が見られます。
今回は、学校の指導援助態勢づくりを通して児童生徒理解と指導援助の在り方について考えてみたいと思います。