福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.122(H09/1997.11) -018/042page

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A先生:そういえば、校庭でサッカーして遊んでる姿も見られなくなりましたね。


 話し合いの中、 「ゆうた君の不安な心を受け止めながら理解を深め、本人への対応を探る」 という方針の基に、本人への指導援助は、担任を中心に全職員で行うことが確認されました。また、それぞれの立場を生かし、担任を支える態勢がつくられました。担任は面接を通して本人理解を深めるとともに、本人の不安を受け止め直接援助にあたる。養護教諭は、本人理解と援助の仕方について担任にアドバイスする。学年主任と担任は、家庭訪問し、家庭での対応を保護者とともに考える。教頭と生徒指導主事は先生方をまとめ、関係職員の相談役となるとともに、生徒指導委員会の推進にあたる。また、全職員が本人に関する情報を生徒指導委員会に提供し、理解と対応を探っていく。

3 組織を生かした指導の実際

【担任の面接】 養護教諭のアドバイスを受けたゆたか先生はゆうた君と面接をしました。二人は、相談室の窓から外をながめ話をしました。


担 任:この景色、いいよね。何か気持ちが落ち着いてきて。心がすうっとしてくるね。

ゆうた:……。

担 任:先生にできることがあったら言ってほしいな。

ゆうた:……先生。

担 任:うん。

ゆうた:……なんかやらなきゃって思うんだけど、できなくって……。

担 任:そうかあ。

ゆうた: できないと、不安で……

担 任:できないと、不安……。


【担任と学年主任による宗庭訪問】
 ゆたか先生は、学年主任とともに家庭訪問しお母さんの話を聴きました。「私の育て方が悪かったんじゃないかと思うと…」「食欲もないし、友達と遊ぶこともなくなって…」というお母さんの話を聴き、ゆたか先生は、お母さんの辛い思いをできるだけ受け止め、「一緒に考えていきましょう」と励ましました。

【全職員による情報の提供】
 先生方から、ゆうた君の情報が少しずつ寄せられました。「図書室で、下級生と一緒に本を読んでたわ」「清掃、一生懸命やってたから、思わずほめちゃった」「みんなと遊びたいんだよね。サッカーやってるのじ一っと見てて…」

 ゆたか先生には、ゆうた君の気持ちが、少しずつ見えてきたような気がしました。

4 その後の生徒指導委員会

 その後の生徒指導委員会では、それぞれの分担から、ゆうた君の気持ちや、家庭訪問での母親の様子などが報告され、ゆうた君の心の理解


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