福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.122(H09/1997.11) -019/042page
が深まりました。
生徒指導主事:ゆたか先生が話したように、ゆうた君は、まだ、不安な思いがありますよね。
養護教諭:でも、自分の気持ちが話せるようになったし、落ち着いてきたなあって、私は感じますよ。
担 任:授業中、時々笑顔が見られるようになりましたね。
生徒指導主事:家庭訪問されてどうでしたか?
学年主任:お母さんも、一生懸命な人でね。だから、ゆうた君は「良い子でいないと」っていう思いが強いんでしょうね。
担 任:そうですね……。頑張り続けなければならないのは、辛いですよね。
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5 その後のゆうた君
「今日の休み時問、ゆうた君、サッカーして遊んでたよ。よかったね」「ゆうた君の表情、生き生きしてきたね」先生方から言われるたび、ゆたか先生は、組織的にかかわることの大切さを強く感じました。
その後も、担任とゆうた君の面接は続けられました。
ゆうた:最近、いろんな先生から「よっ、ゆうた君」なんて言われると、気持ちがふっと楽になるんだ。
担 任:そうかあ…気持ちが楽になる…。
『そう、無理しなくていいんだよ。今のままのゆうた君でいいんだよ』ゆたか先生は、今のままのゆうた君の素晴らしさを、もっともっと、見つけてあげたいと思いました。
学校の指導援助態勢づくりを通して、児童生徒の心を理解するために
○ 共通理解とは、児童生徒の心の理解を全職員で深めることです。そのことによって、初めてその子へのかかわりが全職員一致のものとして見えてきます。 児童生徒の心を共通に理解することが指導援助態勢づくりの土台 となります。
○ 指導援助態勢は、指導援助の方針を明確にし、適切に役割を分担することで動き出します。 指導援助の方針を児童生徒の心にそって明確にする ことで、それぞれが自分の役割を、責任を持って果たすことができるようになります。
○ 指導援助態勢は、固定的なものではありません。随時、話し合いの場を設け 「今、ここ」での児童生徒理解 を深めることが、その子に適した指導援助態勢づくりにつながります。