福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.122(H09/1997.11) -022/042page
〈資料1〉児童が選択した材料・用具
〈資料2〉オリジナル画用紙
上の画用紙は、マーブリングとたんぽによるぼかし、ストローでの吹き流しを組み合わせたものである。不気味な感じがよく現れている。
<資料3> 学習カードより
試行錯誤を繰り返しながら、思いを画面に表現しようという気持ちが伝わる。
2 心の風景を表現する段階について(検証授業2)
出来上がった画用紙を見て、どんな風景を表現したいか考えさせた。まず初めに簡単なアイデアスケッチをさせて、全体の構想を立ててから表現させることを意図したが、既に画用紙づくりの段階から見通しを持って表現している児童が多かったので、自由に取りかからせた。その結果、空や風が表現の中心になった児童が60%に上った。土台となった色の美しさを牛かすためにあえてシンプルな画面にしたもの、土台の画用紙から中心になるものを浮かび上がらせたくて重ねぬりをしても、うまくいかないと悩む児童に対してコラージュ(貼り付け)を助言したところ満足できたもの、風を描きたいと激しく揺れる木を描き、「なるほど」と感心していたものなど様々だった。
画用紙を前に取りかかれない子に対しては、紙を切って画用紙の上に置き、全体の感じをとらえることや、下地を汚さないようにマスキングすることを助言したり、目に見えない風を感じさせるものにどんなものがあるかを話し合いで気付かせたりしていくことで解決を図らせた。
3 作品鑑賞の段階について 大きな目標は「お互いの工夫やよさを認め合う」としたが、児童は本時を迎えるまでに様々な壁にぶつかりそれを乗り越えてきているので、自分なりの鑑賞の観点を持って臨むことができた。共通していたのは、友達のよさをみつけ学ぼうとしている点である。
作品を一通り見た後で、「がんばったねカード」と「もうすこしだねカード」を贈り合った。これは、がんばりを賞賛したり気付いたことをアドバイスしたりするためのカードである。学習終了後に、「思い通りにできた・満足した」と書いた児童は88%に上った。
〈資料4〉学習カードより