福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.122(H09/1997.11) -030/042page
【生徒の作成した活動計画】
生徒は、様々な資料や助言をもとに、自分で指導計画を作成できたことから意欲を高め、自主的な活動を展開していった。
イ 調べ学習に対する支援
養護教諭はエイズについての情報や資料の提供はいつでもできることを伝えた。
活動が進むにつれ、意欲も高まりエイズについてより専門的な疑問をもったり、人間としての生き方に触れるような課題をもったりして保健室を訪ねて来る生徒が増えてきた。「何でこんなにエイズの本ばっかり集めたの」と話したり、「保健室の先生っていつもここで何やってるんですか。寂しくないの」と来室したことのない生徒とのかかわりも多くもてるようになった。また、教諭が準備したものよりも詳しい資料を探した生徒や、自分の力で調べた生徒には「よく調べたね。すごいよ」と認め、励ますと生徒からは笑顔が返ってきた。
また、資料コーナーを自由に使えるようにし一人一人の必要に応じた情報の提供に心掛ける指導に努めた。
このように、これまで来室することのなかった生徒の姿や調べ学習に意欲的に取り組もうとする生徒の姿は、保健室だけでは知ることのできない生徒の新たな面であった。
ウ 資料のまとめや発表の準備への支援
「AさんとB君の調べている内容は、関連しているんだね」「Cさんの絵、いい表現だね。D君のまとめにも牛かせるかな」と担任とともに助言をした。生徒は互いに情報交換したり、発表の仕方を助言し合ったりして、生徒同士が協力し助け合う姿が見られた。
発表の準備では、資料やまとめたことをより効果的に表現していた。例えば、自作のOHPシート・プリント・絵・紙芝居の作成、クイズや劇、アンケートの一覧表などである。「先生、発表は俺に任せておいて」とわざわざ言いに来る生徒もいた。この活動の様子を担任とともに見守り、生き生きと学習する倭やたくさんの笑顔から一人一人の生徒の変容を確認し合った。
次は、今まで養護教諭とかかわりの少なかった生徒の感想である。