福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -007/042page

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 (3) 主体的な学習について

 児童が課題を自らのものとしてとらえ、自力解決の方法を知ることになれば、学ぶことの楽しさや成就感を味わうことができると考える。その経験を重ねることによって、自ら意欲を持って学習に取り組む児童の育成を図っていく。

3 研究の実際

 昨年度(平成8年度)は5年(現6年)の5学級で算数科と理科でT・Tの授業を行った。その成果等をふまえ、今年度は4年と5年の10学級で算数科のT・Tの授業を実施することにした。

1 研究の方法・内容

 (1) 研究の方法

 1 児童の実態をふまえて、それぞれの学年でT・Tを行う単元を決定し、単元全体を通してT・Tの授業を実施する。

 2 事前に打ち合わせをもち、時間割の調整、授業の進め方の確認などを行う。

 3 単元の指導計画及び1単位時間ごとの指導案(略案)を作成し、主な活動の流れと指導のポイントをとらえる。

 4 それぞれの教師の役割分担を明確にし、評価の観点や支援の仕方などを指導案の中に明記する。

 (2) 研究内容

 1 個が生きる学習過程の工夫
  ・問題解決的な学習過程の位置づけ

 2 個に応じた多様な教材・場の工夫
  《教材の工夫》
  ・児童が親しみやすく、多様な考えが出やすい学習課題の提示
  ・児童の思いや願いを生かして選択できる教材
  《場の工夫》
  ・児童一人一人の個性を牛かして、課題解決できる場
  ・個々の考えを確かめ、互いのよさに気づく場

 3 個のよさを生かす評価と支援の工夫
  ・児童一人一人の活動に共感する評価
  ・個々の適性を考慮したT・Tの指導形態

2 検証授業の実際

 (1) 個が生きる学習過程の工夫

 ○ 単位時間における学習過程の工夫

  ◇ 問題解決的な学習過程

課題をつかむ場→見通しをもつ場→自力解決する場→多様な考えを比較検討し練り上げる場→自分の学習を振り返る場→学んで得たものを確実にする場(習熟)

 実践単元 5年 「文字と式」

事前テストから、前学年の「□を使った式」の理解の不十分さが明らかになったので、抵抗感を少なくし、細かなステップを考えた指導が必要であると考えた。

 課題をつかむ場では、生活に密着した問題場面を設定し、2人の教師による演技を含めて具体的に提示するなど、課題解決に意欲をもって取り組めるようにした。

 T1が店員、T2が客になり、ケーキを買いにきた場面を演ずる。ケーキ6個を箱に入れてもらい、代金を払う。箱代が含まれた代金から、ケーキ1個の値段を求める。

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