福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -008/042page
一人一人に、より具体的な解決方法を考えさせ、自力解決に十分な時間を確保して、教師がそれぞれに個別的な支援にあたった。
支援の工夫
○ 式が立てられない……求めるものは何かを明らかにし、文章にそって言葉の式を考えさせる。
○ 計算の仕方がわからない……式の表す意味を考えさせ、具体物を操作させながら、どこから言十算したらよいかを考えさせる。
○ 答えが違う……自分が求めたケーキの値段を式に代入して確かめさせる。
○ 解決できた……努力を認めて言葉かけをし、解き方を友だちに説明できるように準備させる。
以上のように個に応じた支援をし、自分なりに自力解決する喜びが味わえるようにした。また、自力解決の様子を分担して観察し、座席表にチェックして、教師同士がその場で情報交換をしながら、児童のよさをとらえていった。
座席表のチェック(情報交換の場で)
○ 自力解決できているか。
○ どのような考えで解決しているか。
○ 対立する考えをもつ児童はいないか。
練り上げの場では、次のように分担し、本時のねらいに迫れるよう児童に働きかけた。
Tl 全体の話し合いをリードする。
○ それぞれの解決方法を発表させる。
○ 似ている考えや違う考えをみつけさせ、まとめていく。
T2 発表児童の補助をする。
○ 児童のつぶやきや反応を見取り、話し合いの様子を見て、児童に発表を促し、よさを認める。
習熟の場では、難易度別プリントを準備し、個にあったぺ一スで進められるようにした。
○ スラスラコース
本時の学習内容の理解を確かめる基本的な問題
○ ファイトコース
学習したことを使って解く応用的な問題
○ チャレンジコース
さらに高度な応用的な問題
教師が2人いるので、個々の児章のつまずきにも素早く対応できた。
(2) 個に応じた多様な教材・場の工夫
1 教材の工夫
実践単元 5年 「分数のたし算とひき算」
まず、Tlが正方形を何等分かした図形をいくつか提示し、どれも全体の1/2になる様子を視覚的にとらえさせ、同じ大きさの分数がいくつもあることを理解させた。