福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -006/042page

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児童一人一人に基礎的・基本的な内容を定着させる指導法の改善

   〜算数科におけるティーム・ティーチング(T・T)を通して〜

                          福島市立大森小学校

1 主題設定の理由

 学校教育においては、児童一人一人が自ら考え、主体的に判断して行動できる能力の育成を重視する教育の展開と、個に応じ、個を生かす教育の充実が求められている。

 そこで、児童一人一人に基礎的・基本的な内容を身につけさせることを通して、自ら学ぶ意欲と思考カ、判断力、表現力などの育成を重視し、個性を牛かす教育の充実を図ることが重要である。

 そのためには、一人一人の児童のよさや可能性を生かした授業、児童の側に立った授業を通して、基礎的・基本的な内容を確実に定着させる指導法の改善を図っていくことが必要となってくる。

 児童の実態を学カ検査等の結果からみると、ほぼ全国レベルにはあるが、中・高学年になるほど児童一人一人の学力差に広がりがみられる。

 また、算数科の学習に対して苦手意識をもつ児童も多い。課題をもって追究する意欲が不十分なために、主体的な学習態度が身についていないことが原因であると考えられる。

 以上のような点から、一人一人の児童が個性を生かしながら主体的に課題に取り組み、基礎的・基本的な内容が確実に定着するように、指導法の工夫と改善を図ることが必要であると考え、本主題を設定した。

2 研究仮説

1 仮説

 算数科の学習について、ティーム・ティーチング(T・T)による個が牛きる協力的な指導法の工夫と改善を図れば、児童は主体的に学習に取り組み、基礎的・基本的な内容が確実に定着するであろう。

2 仮説について

 (1) ティーム・ティーチングについて

 学習の速度や習熟度、あるいは学習課題等に応じて、複数の教師が協力し、児童を支援する教授組織ととらえ、指導にあたる。

 (2) T・Tによる指導法の工夫と改善

 1 個が生きる学習過程の工夫

 個々の児童が課題意識をもち、既習事項を牛かして自力解決できるよう、体験や操作活動を重視した問題解決的な学習過程を工夫する。

 2 個に応じた多様な教材・場の工夫

 児童が意欲を持って追究し、解決できた成就感が味わえるよう、個の活動に応じられる多様な教材・場の工夫に努める。

 3 個のよさを生かす評価と支援の工夫

 複数の教師が、さまざまな角度から児童の多様な考えやよさを把握し、教師問の連携を図りながら、児童の活動を適切に支援していく。


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