福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -009/042page
次に、T2が「変身ボックス」を登場させ、表し方は異なるが、大きさの等しい分数が出てくる様子を見せた。出てきた分数がほんとうに大きさの等しい分数かどうか、Tlが児童とともに面積図を使って証明する。このようにして「変身ボックス」の秘密を探ろうという解決への意欲を高めた。
秘密を明らかにしようという思いをもとに、試行錯誤しながら解決していく姿が見られた。また、他にも同じ大きさの分数があることに気づき、次々と見つけ出す児童もみられた。
2 場の工夫
実践単元 4年 「面積」
自分たちの身近にある場所(教室、中庭、学校の敷地、学区内)を素材として学習の展開を図り、意欲をもって取り組めるようにした。
まず、実物の1cuや1uを作り、一人あるいはグループで実際に並べる操作活動を通して、面積の意味や求め方を理解させるようにした。
次に、自分たちが調べてみたい物や場所を選び、操作活動を通して面積を求めさせた。教室以外の場所にも範囲が広がるので、2人の教師で教室内とそれ以外の場所に分担して支援をしてきた。計算上の数字だけでなく、実際の大きさを実測したり、地図を活用したりするなど視覚的にとらえることによって、広さを実感することができた。
(3) 個のよさを生かす評価と支援の工夫
座席表を活用し、事前テストの結果や学習に対する態度や予想される反応等を記録し、支援の仕方の打ち合わせをしておく。授業では、児童の見通しや解決の仕方などを記録し、情報交換をするとともに、適切に児童への支援ができるよう工夫した。
4 研究のまとめと今後の課題
1 研究のまとめ
1 複数の教師が協力し、個に応じたきめ細かな支援をすることによって、児童一人一人のよさや可能性を発揮させることができ、基礎的・基本的な内容を定着させることができた。
2 教師が複数になることで、多くの児童に関われ、児童のよさ等を多面的に見取ることができた。児童は、自分の考えが認められたり、わかるまで丁寧に教えてもらえたりするなど学習の楽しさを感じることができた。
3 教師同士の持ち味を生かし、望ましい指導のあり方を研究する中で、.教師の指導技術を高めることができた。
2 今後の課題
1 児童の実態をさらにさまざまな角度からの把握に努め、一人一人の学力の向上や個性を生かすための支援の仕方について継続的に研究を進める必要がある。
2 教師同士の打ち合わせの時間を確保し、教材研究や授業の準備等が効率的に行えるようにしながら、より効果的なT・Tの指導法の改善に努めていかなければならない。