福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -011/042page
精選し、身に付けてほしい言語材料を明確にして活動を進めることである。その際、4領域のバランスに留意して指導過程を組織するとともに、ALTと生徒の活動の場と時間を確保し、生徒が話すことによって基礎・基本が身に付くよう配慮する。
(2) 「話すことの指導内容・方法を工夫する」とは
生徒の意欲を高めながら英語で話す力を身に付けるために、身近な内容にっいてペアやグループで対話する「ダイアローグ活動」を取り入れ、生徒の自由な発想や表現意欲を引き出す場を確保することである。
また、ALTと対話する場と機会を意図的に設定し、実践的な取り組みができるようにする。
(3) 「コミュニケーション能力」とは 英語を聞いたり、読んだりすることによって相手の言いたいことを理解し、それに対して自分の意志や意見を英語で伝えることのできる能力である。
3 研究の内容
(1) 指導過程の工夫について
ALTとの対話の場と機会をできるだけ多く確保し、ダイアローグ活動を指導過程に位置付け、学習事項が確かに身に付くよう工夫する。
(2) 話すことの指導内容・方法について
1 T・Tの利点を牛かし、ALTとJTLによるスキットを通して新文型が抵抗なく理解できるようにする。その際、生徒の身近なことを取り上げ、興味・関心を高める。
2 生徒の表現意欲や発想を大切にするとともに、ダイアローグ活動を取り入れ、ALTの支援を受けながら生徒の話す力を高めることができるようにする。ダイアローグ活動として、次のことを実践する。
(ア) 対話文のロールプレイ
教科書の対話文や教師の作成した対話文を暗記し、動作を付け、気持ちを込めて対話する。
(イ) プラスワン・ダイアローグ
(ア)の対話文の一部を身近なことに置き換えたり、自分の書きたいことをつけ加えたりして対話する。
(ウ) フリー・ダイアローグ
教科書や教師の作った対話文を参考に、ALTの支援を受けながら自分たちで対話文を作成し、友達やALTと自由に対話する。
4 研究の実際
1 題材名 第2学年 UNlT 5(1/8時)
2 本時の目標
(1) 不定詞を含む対話文の概要を理解し、不定詞を用いて身近なことについて英語で話すことができる。
(2) 不定詞を用いたダイアローグ作りに意欲的に取り組み、表情豊かに発表したり、ALTと対話したりすることができる。
3 本時の意図
導人段階で生徒の身近な話題を取り上げることにより興味・関心を高め、次にALTとJTLによるスキットで新文型を提示して、意欲をさらに喚起する。その後でダイアローグ活動を取り入れ、自由な発想のもとに活動できる場を設定すれば、生徒は意欲的に学習に取り組み、不定詞を含む対話文を確実に身に付けるであろう。