福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -013/042page

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 発表者に対しては、ALTが助言や賞賛をし、JTLは賞賛のステッカーを与えた。生徒は十分に成就感を味わうことができたようである。 (3) ALTとのフリー・ダイアローグ

 実際のコミュニケーションの場面に近付けるために、ALTと自由に対話できる場を設定した。ALTには、新出文型の学習の第1時間目であることから、プラスワン・ダイアローグでの練習が生きるような内容で進めてもらうようにし、JTLは、生徒の反応を記録し、事後の指導に役立てられるようにした。生徒は苦労しながらも何とかALTと英語で対話でき、写真のように満足感で顔が輝いていた。

ALTと対話する生徒写真

5 成果と今後の課題

1 研究の成果

 (1) 「話すこと」の活動に重点をおいて研究実践を進めてきた結果、話す内容を自分で考え、相手に伝えようとする積極的な姿勢が育ってきた。観点別到達度学力検査の結果にも、「話すこと」の領域において向上が見られたことからも、仮説にあげた「ダイアローグ活動」が効果的であったものと考える。 〈資料5〉

 (2) 〈資料6〉に見られるように、生徒の実態を把握し、事前にALTと綿密な打ち合わせをして臨んだT・Tの授業の効果として、「英語学習への興味・関心が高まったこと」「外国や外国の文化をもっと知りたくなったこと」「英語を聞いたり話したりするのが楽しくなったこと」をあげており、生徒の「話すこと」への意識が高まってきていると思われる。

〈資料5〉
〈資料5〉観点別到達度学力検査

  〈資料6〉      (実施学年 第2学年)

 T・Tの授業を受けて変わったと思うこと(複数回答可)

 英語学習への興味・関心が高まった  65.7(%)
 英語を聞いたり話したりするのが楽しくなった  44.7
 外国や外国の文化をもっと知りたくなった  57.9
 あまり変わらない  10.5
 その他   5.3

2 今後の課題

 (1) コミュニケーション能力の育成という観点では、文字を見ないで対話することが大切であり、アイコンタクトを重要視して対話させるなど指導過程での工夫が必要である。

 (2) 話す意欲の向上につながるよう、ダイアローグやスキットなどの表現活動に対する評価に工夫が必要である。

 (3) 基礎・基本の定着を図るために、T・Tにおける「読むこと」「書くこと一も含めた4領域のバランスのとれた指導法についてさらに研究したい。


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