福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -016/042page
連載コーナー
あなたもカウンセラー
〜不登校児童生徒への指導援助(児童生徒理解に立って)〜
教育センター教育相談部
121号 柏談面接を通して、児童生徒の心を理解する。
122号 学校の指導援助態勢づくりを通して、児童生徒の心を理解する。
123号 家庭・専門機関との連携を通して、児童生徒の心を理解する。不登校の問題は、学校全体で組織的に取り組んでも、校内の対応だけでは改善が難しい場合があります。
担 任:出欠を繰り返していたまさる君(仮名)ですが、ここ1か月は欠席なんです。家庭訪問をしても、最近は本人が会うのもいやそうな感じなので気になっています。
学年主任:まさる君は、会いたくない様子なんだね。本人の気持ちを大事にすると、無理して会うのはどうなのかな………。
担 任:そう思うんですが、ご両親から『この頃部屋に閉じこもることが多くなって、もうこの子は、学校に行かないんじゃないか……』なんて言われると何て答えていいかわからなくなってしまって……。
生徒指導主事:心配だよな。今まで、みんなで本人に声をかけたり情報交換したりしてきたわけだけど…。専門機関に相談することも必要かもしれませんね。
担 任:相談はしてみたいと思うんですが……。親にどう話していいか……。専門機関のことがよくわからないので、行きづらいような気が……。
教 頭:専門的な視点からの助言が必要ですね。専門機関と連絡を取って相談してみましょう。
「もうずうっと学校に行っていない。もし、このまま、学校に行けなくなったら」と心配する保護者。「どうして欠席を繰り返しているのか気持ちがつかめない」と困り果てる担任。不登校の児童生徒を前にすると、誰もが'脳むことです。
不登校が長期化、深刻化する場合は、特に専門機関との連携を図りながら指導援助を進めることが必要です。もちろん、初期段階での連携は非常に効果的です。
今回は、学校の組織的な対応を生かして、家庭・専門機関との連携を通した児童生徒理解と指導援助の在り方について考えてみたいと思います。