福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -021/042page

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 スキットを利用した活動には様々なものがある。ロールプレイ、プラスワンダイアローグ、オリジナルなスキット作り…。そこで生徒の実態や教科書の題材に応じて活動を工夫し、徐々に難しいものへ挑戦させていくこと。

(3) 「表現意欲が高まり」とは

 (2)で示したような表現活動を楽しみながら行えるようになること。また覚えた言葉を積極的に用いてスキットの内容を充実させようとすること、などを意欲の高まりととらえた。

3 研究の実際と考察

1 スキットを取り入れた年間の実践

 教科書の題材に工夫を加え、次のようなスキット創作を行った。

【 L3 Who did it? 】 推理小説にオチをつけ、擬声語を取り入れて朗読劇にアレンジした。

【 L4 Paula's Summer Vacation 】 TV番組のリポーターに扮してロンドンの風物を紹介した【 Let's Read Meta and the Bear 】 教科書の物語にせりふを加えて人形劇に仕立てた。

【 A Phone Call 】 教科書の会話をもとに、一部を即興で変え、会話を続けていった。

【 L7 A Sale at a New Store 】 実際の折り込み広告を使って買い物の相談⇒店までの道順を訪ねる⇒客と店員の会話をスキットにした【英語でせりふを】1 4コマ漫画を作り演じた。2 映画“Back to the Future" の吹き替え。【その他3〜4回教科書以外の題材で創作】

2 第1回検証授業

(1) 題材名 What Can Science Do for Us?ー2ー

(2) 本時のねらい

 教科書の本文(科学技術の功罪を問うディベート)に自分達の意見やあいづちなどを加えたスキットを作り、グループごとに上演することができる。

(3) 検証の観点

1 本文で用いられているディベートという討論式を生かし、登場人物の意見に対する反論を考えさせることが、題材への関心や表現意欲を高めるために効果的であったか。

2 スキット創作の初歩的な段階として、本文にあいづちや慣用表現などを加えながらスキットを作ることが表現意欲を高めるために効果的であったか。

(4) 指導の実際とその考察

1 前日に、「ケイトの意見を論破しよう」という課題を与えたところ、ほとんどの生徒が自分なりに反論を考えてきた。このことから題材への関心は高まったと思われる。しかし、英語で書けた生徒は約半数で、その中には語彙が足りなかったために本心とは違う意見にした者もいた。「日本語でなら言えるのになあ」と悔しそうにしている生徒もおり、表現意欲は高まっても表現しきれないという点で課題が残った。

2 あいづちなどを挿入してスキットを作らせた。各グループが取り入れた挿入句の数は、5個、7個、11個、15個であった。“ Rea11y? "“ I see. " “ I think so, too. " “ Did you? "というような簡単なものが多かった。中には英語らしく"Uh-huh"などと言ってうなずいている生徒もおり、楽しみながら活動していたようだ。教科書をべ一スに、あいづちやジェスチャーを入れながらスキットを作るという手法はこの段階の生徒達にとっては有効だったと言える。

3 作ったスキットをグループごとに発表せさた。声を荒げたり、机をたたいて立ち上がったりして、白熱した討論の場を上手に演出していた。3つのグループは指示されたとおり反論を


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