福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -022/042page
述べたところで終わったが、1つのグループはディベートの形式を押さえて、最後の判定まで演じていた。これは全く教科書にはない筋書きであり、創作意欲が高まった現れと見てとれる。ただ、未習の語句が多用されていたために内容が聞き取れない生徒が多かった。発表者、鑑賞者双方が楽しめるような表現活動を工夫していかなければならない。
3 第2回検証授業
(1) 題材名英語でせりふを
(2) 本時のねらい
これまでに学んだスキット作りの手法を生かし、与えられた3つの絵や物などを使って短時問にオリジナルスキットを作り、仲び伸びと表現することができる。
(3) 検証の観点
個々の発想を生かしてオリジナルスキットを作ることが表現意欲を高める上で効果的であったか。
(4) 指導の実際とその考察
1 グループ単位で、スキット創作に使用する物を3つのジャンル(ジェスチャーが描かれた絵、風景写真、時計やうちわ等の小物)から1つずつ選ばせた。無作為に選ばせたため3つの組み合わせの意外性に喚声をあげたり戸惑ったりしていた。しかしそれが創作意欲を刺激したようで、英語の苦手な生徒も積極的に参加していた。
2 3つの物を組み合わせスキットを作らせた。口々に様々なアイディアを出しながら、皆でその場で英語にしてしまい、書かずに口頭でダイアローグを作っていくグループが増えた。このように即興性が高まったのは、辞書を使用させず、習った言葉で表現するよう指導したこと、適切な表現が浮かばない時は別な表現に置き換えたり、ジェスチャーを使うように指導したこと、スキット作成の時間を15分程度と短くしたこと、などによるものと思われる。
3 スキットを上演させた。作った文の数は多いグループで16個、少ないところで5個だったが、前の単元で学習した道案内の表現等がうまく使われていた。発表態度も向上した。ALTから教わったアメリカ式の大袈裟なジェスチャーが表現意欲を高めたようだ。今回は未習の語句を使うグループが少なかったために、内容が聞き取れたという生徒が増えた。