福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -020/042page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

研究紹介

  スキットを利用した活動を通して表現意欲を高める指導

                    只見町立只見中学校教諭 室井節子

1 主題設定の理由

 本校は、「生徒の個性を牛かすための個に応じた指導法の工夫」というテーマで教育活動を行っている。この趣旨にそって、英語科においても、一人一人のよさや可能性を伸ばしながら生き生きとコミュニケーションを図っていく生徒を育成していきたいと思う。

研究対象とした2年生21名の“よさ"と“問題点"は次の通りである。

◎学力面…「話す力」「書く力」がある(NRTの領域別の検査等から)が、自分の語彙力を駆使してALTとコミュニケーションを図ろうとするような積極的な姿勢は見られない。特に女子は発言も少なく声も小さい。その理由として生徒自身があげたものは、「恥ずかしい」「自信がない」などである。

◎興味・関心面…4技能のうち、「英語を使って話したい」という願いを持っている生徒が一番多い。日常生活においては、小説、まんが、映画などが好きで、創作好きな面を持っている。

 以上の実態を考慮し、生徒の持つ“よさ"(書く力、創作好き)を生かしながら“課題"(表現意欲)を解決していくために単元指導計画の中にスキットを利用した活動を計画的に設定することにした。スキットとは寸劇のことで、ここでは既成の会話文をアレンジして演じたり、全てを自分達で創作したりする活動をさす。スキット作りのメリットとして、個々の発想や個性を生かせる、既習未習の語句を使いながら英語の運用能力を高めることができる、フィクションであるがゆえに自由に会話を楽しめる、互いの発表から学び合える、などがあげられる。このような表現活動の場を数多く設定し、気軽に英語を口にできる雰囲気を作っていくことで、英語を使うことへの抵抗感をなくし、表現意欲を高めていくことができるものと思う。以上の理由から本研究主題を設定した。

2 研究仮説

1 仮説

 単元指導計画の中でスキットを効果的に活用し、段階的に指導していけば、表現意欲が高まり、生き生きと自己表現するようになるだろう。

2 仮説のための理論

(1) 「単元指導計画の中で…」とは

 これまでスキット作りは時間がかかることが難点とされてきたが、本研究の場合は年間指導計画の中に計画的に位置付け、題材の内容と関連させたり発展させたりしながら、時間より回数を重視して進めていくこと。

(2) 「段階的に指導していけば」とは


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。