福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -024/042page

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研究紹介

情報を主体的に活用して思考・判断できる力を育てる「政治・経済」の指導

   〜パソコン、シミュレーション・ゲームによる実践を通して〜

                     郡山女子高等学校教諭 佐川尚史

1 主題設定の理由

 「政治・経済」の学習指導においては、社会の様々な問題をできるだけ生徒にとって身近で切実な問題としてとらえさせ、解決に向けて考察させることが肝要である。

 そのためには、既にある結論に基づいて考えさせるのではなく、生徒が主体となった学習活動を通して、諸課題についてより具体的に把握させるとともに、その学習を通して、主体的に思考・判断できる能力を育てるような指導の工夫が必要であると考えた。

 そこで、本研究では、生徒が主体となった、より実践的・経験的な学習法としての「パソコン、シミュレーション・ゲーム」を活用することによって、本主題に迫ろうとした。

2 研究の仮説

1 研究仮説

 「政治・経済」の学習において、実際のデータ(情報)を活用して自ら意思決定を行うシミュレーション・ゲームを用いた実践的な学習を展開して、情報を主体的に活用できる力を身に付けていけば、社会(経済)的事象に対する関心や意欲が高まり、柔軟な思考力や状況に合った判断力を育成することができるであろう。

2 仮説のための理論

 (1) 「シミュレーション・ゲームを用いた実践的な学習」

 この学習形態は、実験のすべてをパソコンにまかせるのではなく、処理の途中で人間が介在し、状況に応じて条件や要因を変化させながら進めるので「具体的・能動的・積極的」な学習を行うために非常に有効であると考えられる。しかも、ゲーム感覚で取り組め、短時間で学習効果を高めることが期待される。

 (2) 「情報を主体的に活用できる力」

情報を主体的に活用できる力

 (3) 「柔軟な思考力と状況に合った判断力」

 「柔軟な思考力」とは、自らの問題意識として課題に対して多角的なものの見方、考え方ができる力、「状況にあった判断カ」とは現実の場面での諸問題に対して、健全な批判力を持って対処できる力である。生徒は問題解決的な学習を通して、試行錯誤の中から目標に合った正しい意思決定が行えるようになるだろう。


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